Where Could the Big Seashell Be?/Side Story 2

From Sekaipedia
ミク
『えむちゃん、こんにちは~♪』
えむ
あ、ミクちゃん!
遊びに来てくれたの?
ミク
『それもあるんだけど、
実は、セカイに来てほしくって!』
ミク
『今からでも、大丈夫?』
えむ
うん! 今日は学校お休みだし、
すぐに行けるよ!
ミク
『本当!? よかった~!』
ミク
『それじゃあさっそく、セカイにレッツゴーっ☆』
えむ
ゴー!
レン
ミク、おかえり!
リン
えむちゃんも、来てくれてありがとう!
えむ
レンくんとリンちゃんだ!
……あっ!
えむ
ステージの幕が上がってる!
もしかして、これからショーが始まるのっ!?
ミク
おおー! えむちゃん、だいせいか~い♪
レン
実はボク達、このあいだ海で遊んだ時のことをヒントに
ショーを作ってみたんだ!
リン
リン達を海に連れていってくれた、
えむちゃんへのプレゼントだよ!
えむ
あたしへのプレゼント!?
ミク
うんっ☆
えむちゃん、好きな席に座ってね♪
えむ
はーい!
ミク
それでは! ミクとリンとレンによる、
スペシャルショー、開演だよっ☆
リン・レン
『おー!』
ミク
『ここは、人間の子供達がよく遊ぶ砂浜。
空も海もきれいな青色で、とってもいいお天気です』
ミク
『なのに、とってもブルーな気持ちの子が
砂浜にいるみたいです』
ブリキのおもちゃ
『しくしく……しくしく……。
なんでなの? ボク何か悪いことしたのかな?』
お魚さん
『あれ? ブリキのおもちゃさんだ!』
ブリキのおもちゃ
『あ……君は、お魚さん?』
お魚さん
『うん! そんなに泣いてどうしたの?
いつも一緒にいる男の子もいないみたいだけど……』
ブリキのおもちゃ
『……ボク、捨てられちゃったんだ。
あの子の友達が、ボクのこと古くて、
かっこ悪いって言って、それで……』
お魚さん
『そんな……!
とっても仲良しさんだったのに……』
お魚さん
『元気だして、ブリキのおもちゃさん!
こっちに来て、わたしと一緒に遊ぼうよ!』
お魚さん
『海の中はキラキラしててとってもきれいだし、
きっと元気になれるよ!』
ブリキのおもちゃ
『ありがとう、お魚さん。
でも……』
ブリキのおもちゃ
『海はとてもしょっぱいから、
ブリキのボクが入ったらサビちゃうんだ』
ブリキのおもちゃ
『それに、ボクこう見えて結構重いから、
海に入ったら、きっと底に沈んじゃうし……』
お魚さん
『あ……そっか……』
ブリキのおもちゃ
『ごめんね。なぐさめてくれようとしたのに……』
ブリキのおもちゃ
『でもボクは、ブリキのおもちゃ。
腕も足も、首さえ動かないカチコチの人形なんだ。
だから、きっとあの子もボクを……』
お魚さん
『そんなこと……!』
女の子
『あれ? 誰か泣いているの?』
お魚さん
『わっ、人間の女の子!?
大変! 海の中に隠れなきゃ!』
女の子
『あ……! 泣いていたのは、
ブリキのおもちゃのキミかな?』
ブリキのおもちゃ
『うん。ボク、ここに捨てられちゃったんだ』
ブリキのおもちゃ
『お魚さんが海を見せてあげるって言って
励ましてくれたけど、ボク、海には入れないから……』
女の子
『そっか……』
女の子
『あっ、そうだ! いいこと思いついちゃった♪』
女の子
『えっと、まずは……拾った貝殻を入れてた袋を、
ぜーんぶ空っぽにして!』
女の子
『ブリキのおもちゃくん、ちょっとごめんね!』
ブリキのおもちゃ
『え? うわーっ!
なんでボクをつかんでどうするつもり!?』
女の子
『この袋に入れるんだよ!
それから、しっかり口を縛って……!
はい! これで海の中に入れるよ』
ブリキのおもちゃ
『ボクを海の中にだって!?』
女の子
『大丈夫! ほら……!』
ブリキのおもちゃ
『あ……。ほ、本当だ。
袋のおかげで、体が濡れてない!』
お魚さん
『わぁ……!』
お魚さん
『すごい! これなら海の中を案内してあげられるね!』
女の子
『あ、あなたがお魚さんだね!
はじめまして!』
お魚さん
『うん、はじめまして♪
あなたのおかげで、ブリキのおもちゃさんに
海を見せてあげられそうだよ!』
お魚さん
『ねえ、せっかくだしあなたも一緒に行かない?』
女の子
『いいの? 行く行く!』
ミク
『こうして、ひとつと1匹とひとりは、
たくさんたくさん、海で遊びました』
女の子
『あ……そろそろ帰らなくちゃ』
ブリキのおもちゃ
『今日はありがとう。
君のおかげで、とっても楽しかったよ』
お魚さん
『わたしも! ねえ、よかったらまた明日一緒に遊ぼっ♪』
女の子
『うーん、そうしたいんだけど……。
わたし、実は遠くの街から遊びに来ててね、
今日帰らないといけないの』
お魚さん
『そっか……。もっといっぱい、遊びたかったのに』
ブリキのおもちゃ
『うん。ボクも……』
女の子
『それなら……』
女の子
『ここからはさよならしちゃうことになるけど、
ふたりとも、一緒にわたしのおうちに来る?』
ブリキ・魚
『え……!?』
お魚さん
『い、いいの!? すごーい!
わたし、人の街って見てみたかったんだー!』
ブリキのおもちゃ
『ボクも、そうしてもらえたら嬉しいな。
やっぱり遊んでくれる誰かのそばにいさせてほしいから』
女の子
『それじゃあ決まりだね!』
女の子
『じゃあ今度は、お魚さんをこの袋の中に入れるね!』
お魚さん
『うん! 海のお水もいっぱい入れてね♪』
ブリキのおもちゃ
『あ……でも、君の集めてた貝殻は
持って帰れなくなっちゃうんじゃない?』
女の子
『ううん、いいの!
だって、お友達がふたりもできたんだもん!』
ミク
『こうして、お魚とブリキのおもちゃと女の子は
仲良く幸せに暮らしましたとさ』
ミク
『おしまい』
えむ
ミクちゃん、リンちゃん、レンくん、ありがとう!
すっごく……すっごくすてきなお話だったよ!
ミク
えへへ、喜んでもらえてよかった♪
リン
うん! 3人で一生懸命考えたもんね!
レン
ねー!
えむ
ねえねえ! このショー、
ぬいぐるみの子達とか、司くん達とか、
もっとたくさんのみんなに見てもらおうよ!
えむ
とってもいいお話だったし、
あたしだけが見るなんてもったいないよ!
ミク
本当? えへへ、じゃあそうしちゃう?
レン
うん! ボクは大賛成♪
リン
リンもー!
えむ
やろう♪ やろう♪
ミク
よーしっ☆ そうと決まれば、
さっそくみんなを招待しちゃおーう♪
えむ・リン・レン
『おーう!』

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