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Chapter 4: The Encounter That Day
あの日の出会い (? (edit))
あの日の出会い (? (edit))
Main Street
An
はあ~。つっかれたー!
Mizuki
だねー、体中痛いし。 学校の椅子ってなんであんなに硬いんだろ
An
そう? それはあんまり気にしたことなかったな
Mizuki
うそ!? あんなところに何時間も座ってたら、体壊しちゃうよ
Mizuki
ボクからしたら、なんでみんな当たり前に何時間も 教室にいられるのか不思議だな~
An
たしかに瑞希、普段はこんなに学校いないもんね。 登校してきても、結構授業抜け出してるし
An
それなのに、今日は勉強つきあってくれてありがとね。 教えかたもわかりやすかったし、すっごく助かったよ!
Mizuki
いいっていいって! 思ったより楽しかったしね♪
Mizuki
……お! それよりあれあれ、あのお店だよ。 知り合いに教えてもらったアップルパイがおいしいってお店!
An
へえ。お店の外だけど、もういい匂いがするね!
Mizuki
ネットでも結構評判らしいよ。 わ……でも、お店の中混んでるな
Mizuki
ん~
Mizuki
あんまり人入れなさそうだし、ボクだけで買ってくるよ。 杏はここで待ってて
An
あ、いいの? ありがと瑞希!
十数分後
An
……瑞希、まだかかりそうかなあ
An
——あ、そうだ。こういう時間で勉強すればいいのかな。 古文の単語くらいなら、今覚えられそうだし
An
今日はめちゃくちゃ勉強したから正直頭痛いけど…… みんなも一生懸命教えてくれてるんだし、 頑張らないとダメだよね
An
えっと、単語集……
Classmate A
——あれ、杏じゃん!
An
あ……ふたりともどうしたの? こんなところで
Classmate B
部活の帰り! もう、今日もいっぱい走らされて、 本当大変だった~
Classmate A
そうだ杏、聞いたよ補習のこと。 留年しちゃうかもしれないんだって~?
An
えっ!? なんで知ってるの!?
Classmate B
噂になってるよ。 勉強苦手なのは知ってたけど、そこまでとはね~
Classmate A
まあでも、毎年やってる救済措置らしいし。 真面目に受けとけば、なんとかなるんじゃないかな
An
う……そうだといいなあ……
An
一応、勉強できる友達に教えてもらってるから、 大丈夫だと思うんだけど……
Classmate A
あれ、そうだったんだ。 じゃあ私達の出番はなさそうだね
An
え?
Classmate A
さっき、杏が困ってるなら みんなで勉強教えようよって他の友達とも話してたの
Classmate B
私達だって別に勉強得意じゃないけど、でもほら、 3人寄ればなんとかって言うでしょ!?
Classmate B
協力してくれるって言ってくれた子はいっぱいいたし、 たくさん集まったら、もうそれは集まる知恵も万倍だよきっと!
An
みんな……
Classmate A
ま、だからさ。困ってることがあったらなんでも言ってよ。 協力するからさ
Classmate B
そうそう! 友達だしね!
An
——うん! ありがとうふたりとも!
Classmate A
じゃあまたね。杏!
Classmate B
ばいばーい!
An
……ふふっ
An
(なんか、嬉しいなあ。 瑞希達だけじゃなくて、みんな当たり前に 協力するって言ってくれて……)
Mizuki
ごめん、杏! 待たせちゃったよね。 お店、すっごく混んでてさ
An
ううん、全然大丈夫! さっきまで友達と話してたから
Mizuki
友達?
An
うん。今ね、クラスの子と会ったんだ。 もう補習のこと知っててさ
An
ちょっと恥ずかしかったけど…… ふたりとも応援してくれて、嬉しかったなあ
Mizuki
へえ……。よかったじゃん!
Mizuki
それにしても、杏って本当友達多いよね。 他のクラスの子とか、上級生とかともよく話してるの見かけるし
An
そうかな? 別に普通だと思うけど
Mizuki
いやいやー、生徒どころか 先生とか用務員さんとも結構話してるじゃん。 普通、そんな簡単にいろんな人と仲良くなれないって
Mizuki
ボクも、結構誰とでも話せるほうだけどさ。 杏ほどじゃないし
An
んー、そうなのかな。あんまり意識したことないけど……
An
——あ、もしかしたら、 昔からビビッドストリートで歌ってたからかも
Mizuki
え?
An
私が育った街って、みんな音楽が大好きでさ。 私も、小さい頃からずっとあそこで歌ってたんだよね
An
歌ってると、いろんな人が声をかけてくるから 自然とみんなと仲良くなれるっていうか……
An
それに、もし喧嘩になっても 必ず最後は仲良くなれるんだよね
Mizuki
そうなの? ていうか、喧嘩って……!?
An
街で歌ってると、たまに喧嘩になったりするんだ
An
街に来る若い人ってギラギラしてる人が多いから、 歌ってると因縁つけられることもあってさ
Mizuki
へえ……。 物騒なところなんだね……
An
あはは……。でも悪い人達じゃないよ? 音楽のことになると熱くなっちゃうってだけだし、 喧嘩っていっても、歌で勝負するのがほとんどだからね
An
何度も歌で勝負してると その人の歌にかける情熱とか、プライドとかが見えてきて……
An
最初はちょっと嫌なやつだなーって思っても、 歌に本気ってところは私と同じだなって 思えるようになってくるんだ
Mizuki
そうなんだ……
An
うん。そういう経験があるからかな。 どんな人でも、正面きって話せば 最後は仲良くなれたり認め合えるって思えるんだ
An
だから、誰とでもすぐ話せて仲良くなれるのかなって
Mizuki
…………そっか
Mizuki
なんか、すごいなあ。杏ってそんな風に考えてたんだね
An
別に、いつもこんなこと考えてるわけじゃないよ。 今考えてみて、そうだったのかもって思っただけだし
An
それに、単に考えなしってだけな気もするしね
Mizuki
あはは。そっか
Mizuki
(けど……)
Mizuki
(すごいな、杏は。……どんな相手とだって、 仲良くなったり認め合えるって思えるなんて)
Mizuki
(きっと、だからあの時も——)
Mizuki
(ふう……。やっとお昼か)
Mizuki
(あーあ、午後の授業めんどくさ……。 お昼食べたらサボっちゃおっかなー)
???
——ねえ、暁山さん、だっけ
Mizuki
え?
An
私、白石杏。よろしくね! 杏って呼んでくれていいから
Mizuki
え、あ……よろしく
An
あ、もしかして、びっくりさせちゃったかな。ごめん!
An
でも……せっかく同じクラスになったんだし、 仲良くしたいなって思って!
Mizuki
……あははっ。 まあ、ちょっとびっくりしたけど大丈夫
Mizuki
……ボクも瑞希でいいよ! よろしくね、杏
Mizuki
(入学したばっかりの時、 みんなボクのことを遠巻きにしてたのに 杏は普通に話しかけてくれた)
Mizuki
(それができたのは……)
Mizuki
(どんな人でも認め合えるって思ってるから。 だから……誰とでも、あんな風に まっすぐに向き合っていけるんだろうな)
An
——瑞希? どうかした?
Mizuki
あ……ううん。なんでもない!
Mizuki
——そろそろ行こっか! だんだん寒くなってきたし
An
うん!
Mizuki
っていうかアップルパイ! せっかく買ったのに冷めちゃうよ!
Mizuki
ほら、杏も食べて食べて!
An
あ、そうだった! いただきま~す!
An
ん~っ! なにこれ、すっごい美味しい!
Mizuki
疲れた頭には、やっぱり甘いものが一番だね~
An
だね! 瑞希、買ってきてくれてありがと!
Mizuki
どーいたしまして!
Mizuki
そうだ! このアップルパイ、 メープルシロップとかシナモンとか 他にもいろんな味があったんだ!
Mizuki
だから、また今度一緒に行こうよ!
An
行く行く! いつにしよっか、あいてる日ある?