Beyond Prayers, the Tomorrow We Wish for Is.../Story/Chapter 8

From Sekaipedia
子供達
お母さん、あそこに変なのいる!
怖い~!
子供達
あれって、頭ガブガブ噛むやつだよね!?
獅子舞ロボ
ガブ……
ネネロボ
子供達に怖ガラレテ悲シイソウデス
うーん、今の子供達にとって、
獅子舞はちょっと怖いものみたいだね
さすがに子供達を怖がらせてしまうのは本意じゃないから
ネネロボと一緒に少しここで待っていてほしいな。
ワンダーステージでのショーで活躍してもらおう
えむ
そっかぁ……。
獅子舞ロボさん、残念だけどここで待っててね!
獅子舞ロボ
ガブ……
寧々
ていうか、神社にこれを持ちこむつもりだったの……?
まぁ、正月らしいと言えば正月らしいが……。
参拝の列に並ぶと悪目立ちしてしまうし、
今回はここで留守番をしてもらうとするか
それでは全員、初詣に行くぞー!!
さて……2回目の休憩も終わったし、あと少しだね。
夕方まで頑張ろう
……ん? あれって……獅子舞?
なんであんなところでじっとしてるんだろう……
えむ
世界中のみーんながもーっと笑顔になれますようにっ!
ミク
『なれますようにーっ!』
リン・レン
『なれますようにー!』
寧々
お願いごとって声に出していいわけ?
……ま、もう言っちゃってるからいいけど
オレ達のショーで、世界中を笑顔にするぞ!!!!
こちらはもはや決意表明になっているねえ
KAITO
KAITO
『あはは……司くんらしいといえば司くんらしいねえ』
MEIKO
MEIKO
『ルカ~! お参りよ!
何かひと言でも言いなさい!』
ルカ
『う~ん……もう食べられないわ~……』
MEIKO
MEIKO
『そうじゃなくて、お願いごとを言うのよ!』
えむ
みんなお参りできたね~!
よーし、それじゃ次は~……おみくじに行こーう!
今年最初の運試しということだな!
いいだろう! 行くぞっ!
ミク
『レッツゴーゴー♪』
寧々
あ、ちょっと司!
急に走ったら危ないでしょ!
KAITO
KAITO
『——はぁ、大丈夫かな?
さすがに人も多いし、僕達が顔を出していると
気づかれちゃいそうだ』
たしかに……少し待っていてもらったほうがよさそうだね。
ああ、そうだ。カイトさん達の分もおみくじを引いておこうか?
KAITO
KAITO
『ああ、それは助かるよ!
ありがとう、類くん』
これくらい、なんということはないよ。
いつもお世話になってるからね
というわけでえむくん!
みんなの分も合わせて引いてくれると嬉しいな!
えむ
みんな? あ、うん、わかった!
それじゃああたしの分とあわせて、7回引くね~!
えむ
大吉だ~!!
えむ
あっ、こっちも大吉!
これも大吉だよ~!! また大吉!! あっちもこっちも大吉!!
な、なんだこの豪運は……!?
おやおや、7回すべて大吉とはすごい確率だね。
こうなったら僕達の分もえむくんに引いてもらおうか
寧々
それじゃ意味ないでしょ……
えむ
わっはっはー!
全部大吉大吉~!
みのり
え、えむちゃんすごい……!
……ちょっとだけ穂波ちゃんにわけてあげてほしい!
ふぅ、全員大吉となったことだし、
あとは——
???
あら? もしかしてそこにいるのって……司くん?
ん?
おおーっ!!
……! 今の大声、何?
もしかして事故か何かあったんじゃ……!
そこにいるのは雫ではないか~!
ひさしぶりだな!
やっぱり司くんだったのね!
ひさしぶりね〜
えむ
わぁ~! キラキラしてるお姉さんだ~!
司くんのお友達なの?
ああ! 雫は志歩の姉でな。
そう頻繁ではないが、昔は公園で遊んだりしたものだ!
えむ
ええっ! 志歩ちゃんのお姉さんなんだー!
はじめまして、こんにちは! 鳳えむですっ!
あら、あなたもしぃちゃんのお友達なのね?
はじめまして。妹がいつもお世話になってます
……雫!
今の声って……あれ? 鳳さん?
えむ
あ、遥ちゃんだ!
遥ちゃんも巫女さんになってる~♪
寧々
え……遥って、桐谷遥?
似てるけど、でも、こんなところで巫女してるわけないし……
ねえ、鳳さん。
今すごく大きな声がしたと思うんだけど、何か知らない?
事故か何かと思ったんだけど……
えむ
司くんのでっかいデシベルの声だから大丈夫だよ!
なんだでっかいデシベルとは!
せめて数値で言え!
あ……何事もなかったならよかった。
教えてくれてありがとう、鳳さん
もしかして……こちらの皆さんが、
鳳さんが前に言ってたワンダーステージの人達?
えむ
うんっ! みんなでたっくさんの人を笑顔にしてるんだよ♪
ふふ、そうなんだね
あ——すみません、申し遅れました。
鳳さんと同じ学校に通う、桐谷遥です。
あけましておめでとうございます
寧々
や、やっぱり……!
……あら?
そっちのおふたりは……
春頃に山でお会いしましたね。
お元気そうで何よりです
まあ、草薙さんと神代さんよね?
あの時は本当にありがとう!
ん? なんだ。
ふたりとも知りあいなのか?
ええ! 前にピクニックに行って道に迷った時に、
おふたりが助けてくれたのよ
……ああ! そういえばそのようなことを
ワンダーステージで話していたな!
えむ
じゃあじゃあ、ふたりは司くんのお友達とお友達だったんだね!
すっごい偶然だね~♪
寧々
友達っていうか、偶然知りあったって感じだけどね。
まさかアイドルの日野森雫と知りあうとは思わなかったけど……
そうだったんだ……。
雫を助けてくれてありがとう
寧々
あ、えっと、その……わたしは別に……
フフ、不思議なところで縁がつながっているものだねえ。
……ん?
子供
うえーん!
えむ
あっ、あっちのほうでちっちゃい子が泣いてる!
階段で転んじゃったみたいだよ!
大変……!
今すぐ行かなきゃ——
ふむ……。
ここは僕達に任せてくれないかな
えっ……?
年の初めに泣いている子供がいるんだ。
それなら、僕達の出番だろう?
なるほど……それは一理あるな!
幸いケガもしていないようだし、
ここはひとつ、オレ達があの子を笑顔にしようじゃないか!
えむ
おお~っ!
寧々
え、あ、ちょっとー!
すみません日野森さん……と、き、桐谷さん?
失礼します!
あらあら……ふふ。
司くんってば、すっごく素敵なお友達がいるのねえ
子供
うえーん!
母親
よしよし、痛かったね……よしよし。
どうしよう、なかなか泣き止まないわね……
獅子舞ロボ
ガブガブ!
子供
わっ!?
な、なあにこれ……!
母親
し、獅子舞……?
えむ
『むかーしむかし、ある神社に、
1匹の獅子舞ロボが住んでおりました!』
参拝客達
ん? なんだなんだ?
獅子舞ロボ?
参拝客達
何か見せ物でも始まるのか?
えむ
『子供がだーい好きで、笑顔にしたいと思う獅子舞ロボですが
見た目が怖いので、近づくと
すぐに子供は離れていってしまいました』
寧々
『あの獅子舞、子供を頭から食べちゃうんだって!』
『わあ! みんな、逃げろー!』
獅子舞ロボ
ガブゥ……
えむ
『しかし! そんな様子を見ていた神様が、
獅子舞ロボに話しかけてくれました!』
『ハッハッハ! そう悲しむでない!
みんなの笑顔を望むお前に、ワシが力を与えてやろう!』
獅子舞ロボ
ガブ?
『さぁ、これが神の力だ! 受け取れい!』
獅子舞ロボ
ガブ~!!
さあ、新しい仕掛けのお披露目だ!
まずは——お正月らしく、餅を配ろうじゃないか!
子供
あっ、おもちだ!
お母さん、ししまいさんおもちくれたよ~!
えむ
あっ! あの子、笑ってくれたよ!
やった~!!
フフ、獅子舞ロボベータの力はこれだけじゃないよ。
さらに頭上に凧を上げて——
寧々
ふふっ。よかった。
……でもあんまり騒ぐと、神社の人に怒られるから
ほどほどにね?
ここで劇を始めちゃうなんて……
でも、そういえば……
みんなが笑顔になれますようにって
お願いしてる声が聞こえたっけ
きっとあれは——鳳さん達だったんだね
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