Mizuki's Room
Mizuki
25時にはまだ早いけど、みんないるかなー
Mizuki
『やっほー、みんなお疲れー!』
Kanade
『Amia、お疲れさま』
Mafuyu
『お疲れ』
Ena
『もう、声大きい。びっくりしたじゃない』
Mizuki
『あはは、ごめんごめん! っていうか、もうみんなそろってる感じ?』
Kanade
『うん。……あ、わたしは少ししたら 夜食を食べにちょっと離れるけど……』
Mizuki
『そうなんだ。 じゃあ、その前にちょっとだけ話聞いてもらえる?』
Ena
『何? 絵コンテの話?』
Mizuki
『ぶっぶー。プライベートのは・な・し♪』
Ena
『は? 何それ』
Mafuyu
『——私、ミュートして作業してる』
Mizuki
『わー! 待って待って! みんなに相談したいことがあるんだよ』
Kanade
『……相談?』
Mizuki
『うん。実は——』
Ena
『え? Amiaのお姉さんに私達の写真を送る?』
Mizuki
『そっ! ミステリーツアーに行った時の写真とか、 ピクニックとか体育祭とかフェニランとか——』
Mizuki
『ボクが楽しく愉快に人生を謳歌してるよ~ってことを 写真で伝えたいわけ♪』
Ena
『ふーん……。 まあ、そういうことなら私は別にいいけど』
Kanade
『うん、わたしも』
Mizuki
『おー! えななん、K、ありがとう!』
Mizuki
『雪はどう? 大丈夫?』
Mafuyu
『……Amiaのお姉さんが見るくらいなら、いいよ』
Mizuki
『ありがとう!』
Mizuki
『えっと、今送ろうと思ってる写真が このへんのなんだけど……』
Kanade
『あ、この桜の写真……ミステリーツアーの 廃校で撮ったやつだね』
Mafuyu
『……ファミレスで撮った写真もあるんだね』
Ena
『え? ……あ、本当だ。 って、写ってるパフェ、ほとんど中身ないじゃん』
Ena
『これあれでしょ? 期間限定デラックスパフェ。 映えもあったし、食べる前の写真にすればいいのに』
Mizuki
『いいのいいの。パフェを撮った写真じゃなくて、 みんなでワイワイしてるところを撮った写真だからね♪』
Mizuki
『あ、そうそう! えななん、体育祭とかフェニランでいっぱい写真撮ってたよね? いい感じのヤツがあったら、ボクに送ってくれない?』
Ena
『はいはい。見てみるから、ちょっと待って』
Mizuki
『やった! ありがとう、えななん!』
Kanade
『そういえば、Amiaのお姉さんは海外にいるんだよね』
Mizuki
『うん。デザイナーとして仕事がんばってるみたいだよ』
Kanade
『そっか。すごいね、ひとりで海外に行って、 しかも仕事までしてるなんて』
Ena
『たしかに。言葉の壁とかもあっただろうし。 相当、大変だったんじゃない?』
Mizuki
『かもね~』
Mizuki
(言葉の壁、か……)
Mizuki
(でもきっと、そんなのお姉ちゃんには なんの苦でもなかったんだろうなぁ)
Mizuki
(認めてもらうために自分が表現したいものを曲げて、 大事な何かをすり減らし続けることのほうが ずっとずっと嫌だったと思うから)
Mizuki
(だから、表現したかったことを見てくれる人達のところに—— もっと自由に心からがんばれる居場所に、行ったんだろうな)
A Few Days Later
Mizuki
ふんふん、ふっふふ~ん♪
Mizuki
いよしっ! この写真もいい感じにデコれた!
Mizuki
あとは封筒に入れるだけだけど……。 思ったより枚数増えちゃったし、全部入るかな……
Mizuki
——よし、入った! ちょっと大きめの封筒にしておいてよかったぁ
Mizuki
最後にメッセージカードも入れて、 仕上げに、懐かしのミアのキラキラシールと——
Mizuki
とっておきの、リボンのシールも貼って……!
Mizuki
——うん、完成♪
Mizuki
(お姉ちゃん、写真を見たらどう思うかな)
Mizuki
(でもお姉ちゃんなら、リボンのシールを見ただけで 今のボクの気持ちわかっちゃうかもな~)
Mizuki
さてと……
Mizuki's Voice
お母さーん! これ、一緒にお姉ちゃんに送ってー!