Legend still vivid/Story/Chapter 2

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Chapter 2: ? (edit)
あの夜の足跡を辿って (Ano Yoru no Ashiato o Tadotte)

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Shibuya Park

Kohane & An

『♪————！』

Akito

よし、今日はこのあとそれぞれ予定もあるし、
こんなところだな

Toya

そうだな。
小豆沢、大河さんとの練習の時間には間にあいそうか？

Kohane

うん！
あと10分後くらいに出れば大丈夫だよ

An

じゃあ少し休憩してから行ったら？
ずっと歌ってたし疲れたでしょ

Kohane

ありがとう。そうしようかな

Kohane

あ、そういえば……みんな、聞いてもいいかな

An

ん？　何？

Kohane

えっと、RAD WEEKENDのことなんだけど——

Kohane

前に映像は残ってないって話してたけど……、
何かその時の様子がわかるようなものって、ないかな？
ライブの時の写真とか……

Akito

写真？　会場の前はともかく、中は撮影禁止だからな。
さすがにねえだろ

An

だねー。
でも急にどうしたの？

Kohane

あ、えっと、実は今日みのりちゃん達と
練習の話をしてて——

Toya

なるほど。
イメージを合わせるために、か

Kohane

うん。そのためにRAD WEEKENDのことを
もっと知ったほうがいいんじゃないかなって思って

Toya

たしかにそれはできたほうがいいだろうな

Toya

目標とするものをイメージするというのは、
成長するうえで、とても有効な方法だ

Akito

しっかし……オレ達が話せるようなことは大抵話したからな

An

うん。出てたチームとか、セトリとか……。
あと参加したチームが出してたCDとかもほとんど貸したしね

An

父さんやおじさんから聞いた話は結構話したし、
他に何か教えられるようなことあるかなぁ……

Akito

他のイベントなら、会場になったライブハウスに
行くって手もあるが——

Akito

RAD WEEKENDをやったライブハウスはもう閉まってて、
オーナーも引退してんだよな

An

うん。『COL』っていうライブハウスなんだけど、
元々古いライブハウスだったから、
RAD WEEKENDを最後に閉店しちゃったんだよね

Kohane

そうだったんだ……

Toya

あとわかるかもしれないことは……、
当時の雰囲気だろうか

Toya

他のイベントとはまるで違う熱狂があったということは
聞いたが——

Toya

俺も小豆沢も、それがどんなものかまでは
あまり想像ができていないように思う

Kohane

う、うん！
わかったら嬉しいな！

Akito

それは…………難しいな。
口じゃ説明できねえ

An

そうだね。
説明しても伝わる気がしないっていうか……

An

ほんと——すごすぎてさ

Toya

……筆舌に尽くし難いということか

Kohane

やっぱり、そうだよね……

Kohane

（RAD WEEKENDのことをもっと知るには、
どうしたらいいんだろう？）

Toya

ところで小豆沢、時間は大丈夫か？
もうすぐ大河さんとの練習の時間だろう

Kohane

あ……そうだった！
行ってくるね！

An

いってらっしゃい！
RAD WEEKENDのこと、一応お客さんに聞いておくね！

Kohane

うん！　ありがとう、杏ちゃん！

Vivid Street

Kohane

えっと、約束だとこの辺りに……

Taiga

よう嬢ちゃん。
待たせたな

Kohane

大河さん！
今日もよろしくお願いします！

Taiga

ああ、それじゃ始めるか

Kohane

今日は何をするんですか？

Taiga

そうだな。
——ここらの散歩でもするか

Kohane

あ……はい

Taiga

どうした、気が進まないか？

Kohane

あ、えっと、そういうわけじゃないんですけど……！

Kohane

ただ、前も散歩したなって思って……

Taiga

ハハ、違いねえ。
だが、今日はただ歩くだけじゃねえぞ

Taiga

この街の景色や歩いてる連中をよく見て、
それをしっかり覚えていくんだ

Kohane

景色を……

Kohane

そういえば——前に言ってましたよね、大河さん

Kohane

『俺達は、歌で景色を見せていく必要がある』って

Flashback starts

Taiga

人間ってのは、目から得られる情報が
だいたい８割を占めるって話がある

Taiga

実際、街の景色や人の表情や様子、距離や形、色、
とにかくいろんなことが目で見るだけでも入ってくる

Taiga

じゃあ、耳はどうだ？
聞くことによって、どういうことがわかる？

Kohane

えっと……相手の伝えたい情報とか……？

Taiga

ああ、そうだ。
あとは話しかけてきた相手との距離や向きなんかもだな

Taiga

だがやはり——人間は耳よりも、
目から得られる情報のほうが圧倒的に多い。
耳からの情報だけじゃ、伝わらないもんがある

Taiga

しかし俺達は歌で勝負してる

Taiga

なら——歌で景色を見せなけりゃならん

Kohane

歌で、景色を……？

Taiga

ああ。
場合によっちゃ、それ以上のもんもな

Taiga

……ま、とにかく。
ただいい歌を聴かせりゃいいってだけじゃねえ。
それは覚えておくといい

Kohane

……はい！

Flashback ends

Kohane

——もしかして今日の散歩は、
あの時の話と何か関係があるんですか？

Taiga

その答えは自分で考えるといい。
——嬢ちゃんには、まだまだ時間があるんだ

Kohane

あ……！
ま、待ってください！

Kohane

（景色を覚える……景色を覚える……）

Kohane

（あ、あそこ……楽器屋さんなんてあったんだ）

Kohane

（この辺り、練習する公園の近くだから
いつもとおってるけど、結構覚えてないな……）

Live House Staff

お、大河さんじゃないすか！
どうしたんすか、こはねちゃんと一緒に

Taiga

散歩だ散歩。
嬢ちゃんにこの辺の案内がてらな

Live House Staff

そうなんすね。
時間あるなら、たまにはうちでも歌ってくださいよ！
いつでも枠空けられますよ

Taiga

ま、たまにはいいかもな。
考えとく

Live House Staff

マジですか！？
ありがとうございます！

Kohane

（ふふ、やっぱり大河さんは人気者だな。
歩いてても、すぐにいろんな人に声をかけられるし——）

Musician

あれ？　こはねちゃんじゃない？

Kohane

え？
あ……ソロでイベントに出てた時、よく一緒になった……！

Kohane

（って、よそ見してたら、
大河さんに怒られちゃうかな……？）

Kohane

（大河さんもまだ立ち話してるみたいだし、
ちょっとだけなら大丈夫かな）

Musician

こはねちゃん、こんなところで何やってるの……って、
一緒にいるのって大河さん？

Musician

もしかして、こはねちゃんが大河さんに見初められたってうわさ、
本当なの？

Kohane

あ、いえ！
ちょっと練習を見てもらってるだけです！

Musician

それでも十分すごいって！
大河さんは世界クラスのミュージシャンなんだから！

Musician

RAD WEEKENDの時の大河さんなんて、
本当にすごかったんだよ

Kohane

お姉さんもRAD WEEKENDを見てたんですか？

Musician

うん、もちろん！

Kohane

そうなんですね。……いいなぁ

Musician

ん？　どうしたの？

Kohane

あ……その、私も見たかったなって思って

Kohane

いろんな人がRAD WEEKENDはすごいイベントだったって
教えてくれるんですけど、
私は実際に見ることはできないから……

Musician

そうだね……。
もう謙さんも引退しちゃったし……

Musician

あ、でも動画はあるかもしれないよ。
たしかRAD WEEKENDを撮影してた人がいたはずだから

Kohane

……え？

Kohane

RAD WEEKENDって、撮影禁止だったんじゃないですか？

Musician

うん、でもうしろのほうで撮ってる人がいたの。
暗かったから誰だったか覚えてないけど、
関係者が記録用に撮ってたのかもね

Kohane

……！

Kohane

あ、ありがとうございます！
私——その動画がどこかにないか探してみます！

Musician

うん、そうしてみなよ。
大河さんなら知ってるかもしれないしね

Kohane

はい！

Taiga

よう、待たせたな嬢ちゃん。
……ん？　どうした？

Kohane

あの——

Kohane

RAD WEEKENDの動画って、
どこかにあるんでしょうか！？

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