Live with memories/Story/Chapter 3

From Sekaipedia
ミク
うん。
今日の演奏も息ぴったりだね!
ルカ
そうね。難所もよく弾けているわ。
ただ……
ルカ
……みんな少し、
何かを気にしているような……
咲希
ふ~。
ねえねえミクちゃんルカさん、今のどうだった?
ルカ
あ……そうね。
とても良かったと思うわ
咲希
やった!
ルカさんに褒められちゃった~!
一歌
ソロ練習、頑張ったかいあったね
穂波
そうだね
ルカ
(……やっぱり、なんだか様子がおかしいわね。
いつもより元気がないみたいだわ)
レン
あーもう、くっついてくるなよな~
リン
え~! いいじゃんいいじゃんっ!
咲希
あれ? レンくん、リンちゃん、どうしたの?
MEIKO
MEIKO
また喧嘩?
もう、ほどほどにしなよ
リン
喧嘩じゃないって!
一緒に練習しようって言ってるのに、
レンが嫌がるんだよ~!
レン
だから今日はひとりで練習したいんだって言ってるだろ?
なんであとからくっついてくるんだよ……
リン
え~だって今日はレンと一緒に練習したい気分なんだも~ん!
離れ離れは悲しいよ~!
一歌
あ……
ルカ
……?
レン
なんだよ離れ離れって……大げさだな。
ったく、しょうがないな。一回だけだぞ
リン
本当!?
ありがとレンレン~☆
レン
うわ、変なあだ名つけるなよ
リン
えー? かわいくない?
MEIKO
MEIKO
ふふ、ふたりとも相変わらず仲良しだね
一歌
うん。そうだね
一歌
…………
ルカ
——みんな、何かあった?
一歌
え?
ルカ
演奏してる時から、どこか浮かない顔をしてるように
見えたんだけど……
一歌
あ、その……
一歌
……いつもライブに来てくれるお客さんのことで、
ちょっといろいろ考えちゃって……
MEIKO
MEIKO
お客さんのこと?
穂波
はい。
わたし達の初めてのファンになってくれた人達なんですけど、
家の事情で、いろいろ悩んでいるみたいで……
志歩
……まあ、部外者の私達が人の家のことであれこれ悩むのも、
ちょっと変なんですけどね
咲希
でも……気になっちゃうんだよね。
初めてファンになってくれた人達だし、それに——
葉太
会わない……ように……
咲希
……大事な人と会えなくなるのはとっても寂しいから……
一歌
……うん
ルカ
そうだったのね
ルカ
でも、もし考えても仕方のないことだとしても、
気になるなら、考えてしまっていいんじゃないかしら?
一歌
え?
ルカ
もちろん、どうにもならないことをずっと考えてしまうと、
落ちこんでしまうこともあるけれど
ルカ
それでも気になることなら、
とことん考えてみてもいいんじゃないかしら
志歩
……たしかに、このままだと全員気になって、
演奏にも影響しそうだしね
一歌
そうだね。
ありがとう、ルカ
ルカ
どういたしまして。
それで……具体的には、どんなことがあったの?
一歌
えっと、昨日のライブのあとね——
ミク
そんなことがあったんだ……
咲希
……何かアタシ達にできることって、ないかな?
志歩
あったらいいんだけどね……
穂波
でも……お兄さんはもう来ないって言ってたし、
妹さんのほうもあの感じだと
また来てくれるとは限らないし……
KAITO
KAITO
……もっと話を聞こうにも、
また会えるかもわからないんだよね
リン
せっかくみんなのファンになってくれた人達が
つらい気持ちになってるなんて、やだよ~!
ミク
たしかに、すごく難しい話だね……
一歌
うん……
咲希
でも——妹さんのほうは、
またライブに来てくれるかもしれないんだよね?
志歩
そうだね。
お兄さんも、来たら話してやってくれって言ってたし
MEIKO
MEIKO
その時のために、
何かを準備しておくっていうのも手だね
穂波
準備ですか……。
何をすればいいのかな
志歩
……やっぱり、いつ来てもいい演奏ができるように
しておくのがいいんじゃないかな
志歩
妹さんは、私達のライブを楽しみにしてくれてるんだしさ
一歌
……うん
咲希
……よーし!
じゃあ、次のライブに向けて、みんながんばろうねっ!
一歌
…………
咲希
やっぱりCメロはもっと盛り上げたいな~!
ダメかなしほちゃん?
志歩
あそこはぐっと抑えるからこそラスサビが活きるんでしょ。
むしろ今よりもっと抑えたほうがいいくらい
穂波
たしかに、あんまり緩急をつけられてないかも。
明日は気をつけてみよう……!
一歌
…………
一歌
(……みんな、ちゃんと切り替えて前向きになれてるみたい。
よかったな)
一歌
(私も、次のライブに向けて頑張らなくっちゃ!)
一歌
(でも……。
お兄さんは、やっぱりつらいだろうな……)
一歌
(ふたりを見てると、どうしても、
あの時のことを思い出しちゃう)
一歌
(一緒にいたいのに、一緒にいられなくなっちゃった時のこと)
一歌
(あんな気持ちを、ふたりも今、感じてるのかな……)
咲希
……あれ?
穂波
どうしたの、咲希ちゃん?
咲希
あ。ねえみんな、
あそこにいるのって、もしかして……
一歌
妹さん?
志歩
ひとりで座ってるけど、
どうしたんだろう……
穂波
もしかして……家にいづらいから、
ここで時間をつぶしてるのかな
咲希
そっか……!
……ひとりで大丈夫かな?
一歌
あ……!
女性A
すみません!
今ってお暇ですか?
女性B
私達、簡単なアンケートをとってるので、
よかったら協力してもらえませんか?
花乃
えっと、ごめんなさい。そういうのは……
女性A
お時間はとらせませんから。
10分くらいで終わりますし!
穂波
あれって……
女性A
そうだ。
暗くなってきたし、あそこのカフェに入りませんか?
女性B
あのカフェには、私達の友人もいるんですよ。
よくみんなで勉強会をしたり、映画を見たりもしていて——
花乃
あ……えっと……
穂波
なんだか……強引な感じの人達だね……
志歩
って言うかあれ、明らかに何かの勧誘じゃない?
女性A
じゃあ、行きましょう!
ほらこっちですよ
花乃
えっ、ちょ、ちょっと離してください……!
一歌
……!
咲希
わ! いっちゃん!?
一歌
——すみません!
女性A
え?
一歌
この子と待ち合わせをしてた者なんですけど……、
何かご用ですか?
花乃
れ、Leo/needの……!?
嘘……!
一歌
もし何か用なら、私も一緒に聞きます。
……ご用件はなんでしょうか?
女性A
あ……ご友人と待ち合わせをされてたんですね……
女性B
では仕方ないですね……。
またタイミングが合ったら、是非来てくださいね
一歌
……はぁ。
しつこい人達じゃなくてよかった……
花乃
あ、あの……!
Leo/needの、星乃さん……ですよね!?
一歌
あ、はい!
えっと……
一歌
(……どうしよう。
思わず声をかけちゃったけど——)
一歌
(いつも見てたバンドの人が、急に『待ち合わせしてた』
なんて言って出てきたら、怖いよね……)
花乃
あの……た、助けていただいてありがとうございました!
それから——
花乃
この前は、すみませんでした……!
一歌
……え?

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