Live with memories/Story/Chapter 8

From Sekaipedia
一歌
ふぅ……
咲希
お疲れさま、みんな!
……いっちゃん、今日はいいライブができたね!
一歌
……うん。
ありがとう、咲希
穂波
花乃ちゃん達を見届けられなかったのは、
ちょっと残念だったけど
志歩
電車の時間があるんだから仕方ないよ。
私達も片づけがあって押しちゃいそうだったし
咲希
そうだよね、直接挨拶したかったけど……。
明るい顔してたよって店長さんも言ってたし、
それだけでもよかったな!
一歌
もう、お別れしちゃったのかな。
……あれ?
志歩
あそこにいるのって……!
葉太
……いいか、ちゃんと朝飯は食べるんだぞ。
授業で頭が回らなくなるからな
花乃
もー、わかったってば。
お兄ちゃんってばいつもそうなんだから……
花乃
ほんとに……そういうところ、昔から変わらないよね
葉太
……そうだな
花乃
……本当に、大丈夫だよ。
心配しないで、お兄ちゃん
葉太
花乃……
花乃
……それじゃあ私、行くね。
次の電車に乗らないと、遅くなっちゃうから
葉太
……ああ
花乃
バイバイ、お兄ちゃん
葉太
…………
葉太
——花乃!
葉太
——またライブに行こう!
葉太
新しい家族と仲良くなれたら……絶対に行こう!!
花乃
…………っ
花乃
うんっ!
またね、お兄ちゃん!
一歌
……ふたりとも、笑ってた……
一歌
ちゃんと届いた……のかな?
咲希
——うん、きっとそうだよ!
絶対絶対そう!
志歩
絶対とまでは言えるかわからないけど……。
——そうならいいよね
一歌
…………うん
一歌
……これで必要なケア用品は全部かな
咲希
うん! それにしても——
昨日のライブ、うまくいってほんっとによかったねっ!
志歩
もう、それ何回目?
昨日から100回くらい言ってるでしょ
咲希
さすがにそんなに言ってないってば!
……30回くらいじゃない?
志歩
それだって多いでしょ
咲希
嬉しいことは何回言ってもいいんだもーん♪
一歌
ふふっ。
そうかもね
穂波
いつ花乃ちゃん達が来てもいいように、
ライブ、もっと頑張らなくっちゃね!
咲希
うんっ! よーし、ふたりが楽しくなれちゃうような
ハイテンションなライブをいっぱいやろーう♪
志歩
咲希はいつでもハイテンションだけどね
咲希
イェーイ♪ しほちゃんノってるかーい♪
志歩
はいはい
穂波
ふふっ
穂波
のってるって言えば……セカイに報告しに行った時の
ミクちゃん達、すごく盛り上がってくれたよね
一歌
うん、ミクが『頑張ったね』って言ってくれて、
嬉しかったな……
咲希
あ、いっちゃんの目がキラキラしてる……!
志歩
通常運転って感じだね
志歩
さて……初のファンにもちゃんと喜んでもらえたことだし、
このあとは、本格的に動き出すための準備をしなくちゃね
咲希
たくさんの人にアタシ達の演奏を
聴いてもらいたいもんねっ!
一歌
うん……!
一歌
——あ……
一歌
(ミクのソフトがある……)
一歌
(『初音ミクと一緒に、世界中に君の曲を響かせよう!』
か……)
一歌
(懐かしいな……。
昔、ほしいって言ったけど、買ってもらえなかったんだよね)
一歌
(誕生日プレゼントでお願いしたけど、お母さんに、
『使いかたもわからないでしょ』って言われて……)
一歌
(あの時は、ずいぶん落ちこんだな……)
一歌
……あ
一歌
(でも……今ならアルバイトしてるから自分で買えるし、
作曲の練習にも使える)
一歌
(それに——)
ミク
きっと向こうの私も、
一歌達のことを待ってるよ
一歌
私の世界の、ミクも——
一歌
(……歌ってみたい)
一歌
(こっちでも——ミクと、一緒に)
咲希
いっちゃん?
ぼんやりしてるけど、大丈夫?
志歩
そろそろレジに行くよ
一歌
え?
あ……うん! 行こう!
一歌
(……やっぱり、これも一緒に持っていこう)
一歌
(いつか、ミクと一緒に、歌えたらいいな——)

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