Ichika
♪————! ——!
女子高生A
あそこで歌ってる子、歌うまくない?
女子高生B
最近、よくこの辺で歌ってるよね。
どこかのバンドの子かな?
どこかのバンドの子かな?
女子高生A
時間あるし、ちょっと聴いてこうよ
Ichika
♪——! ————!
Ichika
(あ、あの子達立ち止まってくれた)
Ichika
(聴いてくれてるのかな、それなら……!)
Ichika
♪——! ————! ————!!
Ichika
(楽しんでもらえるように……精一杯歌おう!)
子ども
わあっ、あのお姉ちゃんすごーい!
男性
おっ、路上ライブか。いいな
Ichika
♪————!! ——!!
Ichika
……ふぅ
Ichika
聴いてくれて、ありがとうございました!
Ichika
(最初の頃より、たくさんの人に聴いてもらえるようになったな)
Ichika
(それに……私の歌を聴いてくれた人が、
『いい歌だ』って言ってくれる)
『いい歌だ』って言ってくれる)
Ichika
(それが一番嬉しくて——楽しい)
Ichika
(もっと練習して、たくさんの人に
喜んでもらえるようになりたいな)
喜んでもらえるようになりたいな)
Ichika
それじゃあ、今日はこれで——
通行人達
あれ、これで終わり?
Ichika
はい、今日はここまでにしようかと思ってて……
通行人達
ねえ、もうちょっとだけ歌ってくれない?
今日、途中からしか聴けなかったんだよね
今日、途中からしか聴けなかったんだよね
Ichika
えっ?
通行人達
あ、私も聴きたい! もう1曲だけお願い!
Ichika
——わかりました。
それじゃあ、もう1曲だけ……
それじゃあ、もう1曲だけ……
Ichika
♪————
Ichika
今日も、たくさんの人に聴いてもらえたな……
Ichika
少しは、私の歌が届いてる、って思っていいのかな
Ichika
まだ誰かの心を揺さぶるってレベルじゃないけど……。
でも……私の歌が、誰かの心に残ってくれたら嬉しいな
でも……私の歌が、誰かの心に残ってくれたら嬉しいな
Ichika
……あれ?
Ichika
桜が咲いてる……。
すごい、満開だ
すごい、満開だ
Ichika
……綺麗……
Ichika
ちょっとだけ、寄って行こうかな
Ichika
風が気持ちいい……
Ichika
昔は、よくみんなでここにピクニックに来たな
Ichika
ビニールシート敷いて、咲希のお母さんが作ってくれた
おやつを食べて……。
そういえばあの頃だっけ。穂波がアップルパイ好きになったの
おやつを食べて……。
そういえばあの頃だっけ。穂波がアップルパイ好きになったの
Ichika
あ、4つ葉のクローバーを探すのに夢中になってたら
公園の外に出ちゃって、
逆にみんなに探されたこともあったな
公園の外に出ちゃって、
逆にみんなに探されたこともあったな
Ichika
……ふふ、公園でいろんなことしたな
Ichika
『ミクの曲をバンドでやろう』って決めてからは、
ここでミクの曲聴いたり——
ここでミクの曲聴いたり——
Ichika
……ミクの……
Ichika
……あの時のミクの歌が、私達を繋いでくれたんだよね
Ichika
(咲希が入院して、学校に来なくなって、
志歩とも、穂波とも話せなくなって……)
志歩とも、穂波とも話せなくなって……)
Ichika
(また4人で一緒にいたいって思ってたけど、
あの頃の私は何もできなかった)
あの頃の私は何もできなかった)
Ichika
(大切だけど、どうしたらいいのかわからなくて、
穂波や志歩の背中を見ることしかできなかった)
穂波や志歩の背中を見ることしかできなかった)
Ichika
(そんな時に——セカイでミクと会った)
Ichika
(あの時ミクが『演奏を聴きたい』って言ってくれなかったら、
きっと今もバラバラのままだったんだろうな)
きっと今もバラバラのままだったんだろうな)
Ichika
(それに……本当の想いに気づかせてくれたのも、ミクだった)
Ichika
(私の想いを聞いてくれて、一緒に考えようって
言ってくれて……)
言ってくれて……)
Ichika
(そのおかげで、穂波に気持ちを伝えられて、
また4人ですごせるようになった)
また4人ですごせるようになった)
Ichika
……全部、ミクのおかげだな
Ichika
——ありがとう、ミク
Ichika
……——♪
Ichika
(やっぱり、つい歌っちゃうのもミクの歌なんだよね)
Ichika
(小さい頃からミクの歌がずっと好きだったけど……。
今は、ただ好きなだけじゃない)
今は、ただ好きなだけじゃない)
Ichika
(ミクの歌は、私の思い出の傍らにある大切な歌)
Ichika
(これからも、たくさんの思い出が生まれるんだろうな。
そして、きっとその傍らにはミクの歌がある)
そして、きっとその傍らにはミクの歌がある)
Ichika
——……♪
Ichika
……ミク
Ichika
……この想いを、ミクに伝えたいな