レン
この前のあれ、ほんと不思議だったなぁ
レン
(見えたのは、ほんの一瞬だったけど……)
レン
(あれはきっと、どこかで誰かの想いを見守っている
別のセカイのみんな、なんだろうな……)
別のセカイのみんな、なんだろうな……)
レン
それにしても……
レン
すごく、きれいなところだったなあ
レン
あの時、ひらひらしてたのが
桜の花びら……だよな
桜の花びら……だよな
レン
はあ……。あんな風に、
桜の花がたくさんあるところで花見がしたいなあ
桜の花がたくさんあるところで花見がしたいなあ
レン
あ、そういえば……
杏
——あ、そうだ。
桜っていえば、近所の公園に桜が咲いてたんだよね
桜っていえば、近所の公園に桜が咲いてたんだよね
杏
人がいなさそうなタイミングで、
みんなでお花見してみない?
みんなでお花見してみない?
KAITO
おっ、いいねえお花見!
行きたいな!
行きたいな!
レン
たぶんタイミングを待ってるところだと思うけど……。
全部を杏に任せちゃう感じになっちゃってたし、
オレのほうから声をかけに行こうかな
全部を杏に任せちゃう感じになっちゃってたし、
オレのほうから声をかけに行こうかな
KAITO
あ、レン。これからメイコの
カフェに行くんだけど、一緒に——
カフェに行くんだけど、一緒に——
レン
ちょうどいいところに!
カイト、ちょっとつきあってよ!
カイト、ちょっとつきあってよ!
KAITO
へ?
レン
『よいしょっと。
杏いるかな?』
杏いるかな?』
KAITO
『んー。真っ暗でよくわからないね。
それに、結構人の声がするような……』
それに、結構人の声がするような……』
客Aの声
杏ちゃん、注文いいかな?
客Bの声
そっち終わったらこっちもよろしくねー!
杏の声
はいはーい! すぐ行くから待っててね!
レン
『ん~。なんだか忙しそうだなあ』
KAITO
『じゃあ、用事は諦めてメイコのカフェに——』
レン
『よし! 次行ってみよーう!』
KAITO
『ええー!』
彰人
——お疲れさまでした
バイト先の店長
うん、お疲れさま!
またよろしくね
またよろしくね
彰人
はい。明日またよろしくお願いします
彰人
さて、イベントの時間までまだあるし、
自主練でも……
自主練でも……
彰人
ん? 今、光ったのって……
レンの声
『彰人、聞こえるー? オレだよー、オレー!』
KAITOの声
『なぜかボクも一緒にいるよー』
彰人
レンと、カイトさん?
レン
『ふう。出してくれてありがと、彰人!』
彰人
それはいいけど、ふたりしてどうしたんだ?
KAITO
『あ、ボクは連れてこられただけだから、
実は関係ないんだよね』
実は関係ないんだよね』
レン
『ちょっと! カイトだって関係なくないよ!
花見いいな、行きたいなって言ってたじゃん!』
花見いいな、行きたいなって言ってたじゃん!』
彰人
花見?
レン
『うん! 前に杏が、
いつも練習してる公園の近くの桜が咲いてるから、
人がいない時にお花見しようって話してたでしょ?』
いつも練習してる公園の近くの桜が咲いてるから、
人がいない時にお花見しようって話してたでしょ?』
レン
『それ、いつ頃できそうか相談したいなって思って!』
KAITO
『そういうことか。うん、それはとってもいいね!』
彰人
……まあ、ちょうど見頃だし、
花見やるなら今だろうな
花見やるなら今だろうな
レン
『でしょー! それで杏に会いに行ったんだけど、
お店が忙しそうでさ……』
お店が忙しそうでさ……』
レン
『彰人、代わりにオレ達をその公園に連れてってくれない?
どんな場所か、下見しておきたいんだ!』
どんな場所か、下見しておきたいんだ!』
彰人
いいぞ。どうせ自主練しに行くつもりだったしな
レン
『やったー! それじゃあお願いしまーす!』
彰人
ほら、ここだ
KAITO
『あ、あった! 桜の木だ!
レン、桜の木だよ。ほら!』
レン、桜の木だよ。ほら!』
レン
『もう、ちゃんと見えてるってば。
あと、うるさくしたら他の人達に見られちゃうじゃん』
あと、うるさくしたら他の人達に見られちゃうじゃん』
KAITO
『あはは。ごめんごめん。
桜を見たらついテンションが上がっちゃって』
桜を見たらついテンションが上がっちゃって』
彰人
どっちが子供かわかんねえな
彰人
で、どうだ。レン
レン
『うん。きれいだね。
でも……まだ咲いてない枝もあるね』
でも……まだ咲いてない枝もあるね』
彰人
ちょっと建物の陰にも入ってるし、
他より咲くのが遅れてんのかもな
他より咲くのが遅れてんのかもな
レン
『んー……』
レン
『せっかくお花見するなら、
満開になってる桜がいいんじゃない?』
満開になってる桜がいいんじゃない?』
彰人
……そうなるよな。
仕方ねえ、他の場所も見に行くか?
仕方ねえ、他の場所も見に行くか?
レン
『いいの!? 練習したかったんじゃ……』
彰人
時間はまだあるし、もう少しくらいなら大丈夫だ
レン
『ありがとう、彰人!
カイトも、もうちょっとつきあってくれる?』
カイトも、もうちょっとつきあってくれる?』
KAITO
『もちろん! 桜ももっと見たいし、
彰人くん達の街の様子とかも興味あるしね!』
彰人くん達の街の様子とかも興味あるしね!』
レン
『やったー! それじゃあ次の場所にレッツゴー!』