A Song That Soothes Your Frustration/Side Story 2

From Sekaipedia
???
少年
つっ……うっ……!
KAITO
KAITO
君、大丈夫かい!?
KAITO
KAITO
(膝を押さえてる! もしかして、ケガを——)
少年
はあっ、はあっ……! くそっ……! ボール……
KAITO
KAITO
あ、ちょっと……!
KAITO
KAITO
やっぱり、僕のことは見えてないみたい……
少年
時間……時間が、ないんだ……!
KAITO
KAITO
(さっき感じた焦りや不安が強くなってる……)
KAITO
KAITO
ねえ、君! 何をそんなに焦っているんだい?
少年
くそっ! なにがなんでも、間に合わせないと……
KAITO
KAITO
(ダメだ。声も届いてない)
KAITO
KAITO
(せめてもう少し、この子の想いを理解できれば 解決の糸口がつかめるかもしれないんだけど……)
KAITO
KAITO
わっ! な、何?
KAITO
KAITO
これは、想いの欠片……
KAITO
KAITO
そうか。 あの子の想いが強まって、あふれだしてきたんだ
KAITO
KAITO
(この欠片を通じて、 あの子の想いに触れられるかもしれない)
KAITO
KAITO
(本当は本人と話して、ちゃんと聞きたかったけど—— ごめん、触れさせてもらうね)
少年
……悪い、こんな大事な時に
チームメイトA
バカ、謝んな。お前は悪くねえよ
チームメイトB
そうですよ! キャプテンのあのプレイがなかったら、 逆転だってできてなかったっす!
少年
…………
チームメイトC
……信之。 コートで待ってる
チームメイトD
俺達を信じろ! 俺達も、お前のこと信じて待ってるからさ!
少年
……わかった。絶対に戻ってみせる。 それまで、チームを頼む
母親
……あの、先生。 今……なんて……
医者
バスケはできるようになります……趣味の範囲でなら。 ですが、競技者として激しいプレイができるようになるのは 難しいかもしれません
少年
…………っ
少年
……難しいだけで、不可能じゃないんですよね
少年
先生。俺は、どうすればコートに戻れますか
KAITO
KAITO
そうか……。 チームメイトとの約束を守るために……
KAITO
KAITO
(チームのキャプテンも務めているみたいだし……。 ケガをしたことも含めて、かなり責任を感じているんだろうね)
KAITO
KAITO
(そのうえ、簡単に復帰できる状況でもないなんて……)
少年
はあっ、はあっ……!
少年
あいつらなら、次もきっと勝ってくれる。 だから俺も、早く……早く、あいつらのところに——
KAITO
KAITO
……その想いは、ひとりで抱え込むには さすがに大きすぎるんじゃないかな
KAITO
KAITO
——そういう時こそ、僕達の出番だ
KAITO
KAITO
♪————……
KAITO
KAITO
(大切な仲間との、大切な約束だ。 絶対に守りたいよね)
KAITO
KAITO
(前みたいなプレイは難しいって言われて、 きっとすごくショックだったと思う……)
KAITO
KAITO
(それでも、君は諦めずに闘うことを選んだ——)
KAITO
KAITO
♪————……!
KAITO
KAITO
(そんなに強い想いがあるんだ。 焦って無理しないで、もっと自分を信じて)
KAITO
KAITO
♪————! ♪————~~!!
KAITO
KAITO
(君の仲間達が、君なら絶対に戻ってくるって 信じてくれているように)
KAITO
KAITO
♪————! ♪————~~!!
KAITO
KAITO
(——お願いだ。届いてくれ……!)
少年
…………これ、歌?
KAITO
KAITO
……よかった。 ちゃんと届いたみたいだね
少年
え……。 誰、ですか……?
KAITO
KAITO
話の前に、まず座って。 はい、ボールも置く!
少年
あ……いや、練習が……
KAITO
KAITO
膝、痛いんだろう? そんな状態で練習したら、 ケガをしていない足にも負担がかかるし、 変なクセとかついちゃうんじゃないかい?
少年
それは……
KAITO
KAITO
わかっているなら、まずは休憩!
KAITO
KAITO
君を信じて待ってる仲間達だって、 こんな無茶してるって知ったら、さすがに怒るんじゃないかな
少年
……そう、ですね……
KAITO
KAITO
……ごめんね。 急に現れて、急に怒ったりなんかして
少年
いえ……俺も本当はダメだって、わかってたので
少年
でも、どうしても不安になるんです……。 病院のベッドにいると、いてもたってもいられなくなって。 こんなこと、してる場合じゃないのに……
少年
この時間を練習にあてていれば もっと早く復帰できるかもしれないのに、 練習をしなかった分、間に合わなくなるんじゃないかって……
KAITO
KAITO
(そうか……。練習したい、復帰したいという想いが 今とても強まっているから、 この想いの欠片のセカイが生まれたんだろうな)
KAITO
KAITO
じゃあ、その不安を和らげられるような 歌を聴くのはどうかな?
少年
え……歌……?
KAITO
KAITO
歌はいろいろな人の心に寄り添ってくれるんだ
KAITO
KAITO
勇気がほしい人には勇気を、 不安な人には安らぎを与えてくれる——
KAITO
KAITO
僕でよければ いい歌もたくさん知っているし、歌えるよ
少年
あ……。 そういえば、誰……ですか?
KAITO
KAITO
おっと。名前を言い忘れてしまっていたね
KAITO
KAITO
僕はカイト——いや、『KAITO』だよ
少年
『KAITO』?
KAITO
KAITO
君の世界にもいるはずだよ
KAITO
KAITO
想いを歌い、伝える—— バーチャル・シンガーの『KAITO』がね
KAITO
KAITO
あ……。もう少し話したかったけど、 そろそろお別れみたいだね
KAITO
KAITO
じゃあね、信之くん。 さっき言ったこと、忘れないでほしいな
少年
俺の名前、なんで……!?
KAITO
KAITO
ふふ。そばで見守っているから、無茶しないようにね
病室
少年
——……ん
看護師
信之くん! よかった……!
少年
あれ……俺、練習……
看護師
……ダメでしょう! 勝手に病室抜け出しちゃ! 転んでケガが悪化したらどうするの!
看護師
……もう少し我慢すれば リハビリも始められるようになるんだから。 今は安静にしてないと
看護師
お見舞いに来てくれるチームメイトの子達だって、 こんな無茶してるって知ったら、きっと怒るわよ?
少年
は、はい……
少年
はあ……。また怒られた……
少年
……あれ、また?
???
話の前に、まず座って。 はい、ボールも置く!
???
君を信じて待ってる仲間達だって、 こんな無茶してるって知ったら、さすがに怒るんじゃないかな
???
歌はいろいろな人の心に寄り添ってくれるんだ
???
勇気がほしい人には勇気を、 不安な人には安らぎを与えてくれる——
???
僕でよければ いい歌もたくさん知っているし、歌えるよ
少年
……そうだ。バーチャル・シンガー……
少年
名前は知ってたけど、ちゃんと聴いたことなかったな
少年
たしか、あの人の名前は——

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