ミク
(歩いても、歩いても……何も、ない)
ミク
(桜の木、ないのかな……)
ミク
(…………。
あっちも探してみようかな)
あっちも探してみようかな)
ミク
(やっぱり、ない……)
ミク
(これだけ歩き回ってもないなら……)
ミク
(……少し、疲れた。
ちょっと休憩)
ちょっと休憩)
ミク
ふぅ……
ミク
(……やっぱり、桜の木、ないな。
でも……木だけじゃない)
でも……木だけじゃない)
ミク
(ここには——本当に何もない)
ミク
(だけど——)
ミク
(前はもっと、何もなかった)
ミク
(最初は、まふゆとわたし、
ふたりだけのセカイ)
ふたりだけのセカイ)
ミク
(何もなくて、真っ白で……)
ミク
(でもまふゆは、ずっともがいて、
ここで曲を作り続けてた)
ここで曲を作り続けてた)
ミク
(それから——)
奏
待ってた……?
じゃあ、わたし達のことを知って……?
じゃあ、わたし達のことを知って……?
瑞希
へえ~。
じゃあもしかして、ボク達をここに呼んだのもミクってこと?
じゃあもしかして、ボク達をここに呼んだのもミクってこと?
絵名
嘘でしょ……。
ねえ、今の状況って……夢、じゃないよね?
ねえ、今の状況って……夢、じゃないよね?
ミク
(奏と——絵名と瑞希が来てくれた)
ミク
(今、このセカイには、奏達がいる)
ミク
それから——
???
そんなに助けたいの?
???
じゃあ、わたしも手伝ってあげる
ミク
(……最初に来てくれたのは、リンだった)
MEIKO
でも、近くなりすぎて見えなくなることもある
MEIKO
だから私は、距離を置いて、
あの子達を見守ることにしたの
あの子達を見守ることにしたの
ミク
(少しずつ、他のみんなも来てくれた)
ルカ
あなた達のことはミク達から聞いているわ。
よろしくね
よろしくね
ミク
(みんな、形は違うけど、
まふゆ達のことを想って……)
まふゆ達のことを想って……)
ミク
(何もなかったこのセカイに、
いろんな人が増えていって……)
いろんな人が増えていって……)
ミク
(少しだけにぎやかになった)
ミク
(まふゆも……少しずつ変わってる気がする)
ミク
(……よかったね、まふゆ)
ミク
……あれ?
ミク
胸が、あったかい……
ミク
わたし、嬉しい、のかな……
ミク
(……桜の木はなかった。
でも、ここには……みんながいる)
でも、ここには……みんながいる)
ミク
(みんなと、過ごせたら、
それだけで嬉しい)
それだけで嬉しい)
ミク
(それがわかったから……探して、よかった)
ミク
——みんなのためにできること、
これからも、いっぱいできるといいな
これからも、いっぱいできるといいな
ミク
(……そろそろ、帰ろう。
あんまりいないと、リン達、心配しちゃう)
あんまりいないと、リン達、心配しちゃう)
ミク
……あれ?
キラキラしたのが、落ちてる
キラキラしたのが、落ちてる
ミク
これ……想いの欠片?
ミク
(想いの欠片は——まだセカイになってない、誰かの想い)
ミク
(セカイを生み出すのは誰かの想いだけど……。
想いのすべてがセカイになるわけじゃない)
想いのすべてがセカイになるわけじゃない)
ミク
(でも、そんな想いが、
こうやって流れ着いてくることがある)
こうやって流れ着いてくることがある)
ミク
(欠片に触ると、想いを少し覗けるんだよね)
ミク
(……これは、どんな想いなんだろう……)
ミク
……あれ?
ミク
(……触ってないのに、光が……?)
ミク
あ……!