Full Power! Wonder Halloween!/Story/Chapter 1

From Sekaipedia
さて……今日持っていくものは、
これで全部かな
ああ、そういえばこのライトもあったねえ。
ラストシーンに丁度よさそうだ
フフ、今日も素晴らしいショーを作ろうじゃないか
『ううっ!』
『こ、この光は一体……!?』
寧々
『——思い出したのね、黒騎士。
平和を愛し、みんなのために剣を握っていたあの頃を』
えむ
『じゃあこのキラキラした光は、心なの?
とってもキレイ!』
『そうか……オレは大切なことを忘れていたようだな』
『約束しよう。これからは昔のように、
平和のために剣を振るうことを!』
『こうして黒騎士は正しい心を思い出し、
世界の平和は守られたのでした——』
ミク
と~っても素敵なショーだったよ~!
ミクも一緒にやりたくなっちゃった♪
ハーッハッハッハッ! そうだろうとも!
KAITO
KAITO
特に、最後の光の演出がとても良かったよ。
照明をあんな風に使うなんて思わなかったな
フフ、それは嬉しいな
ミク
あ! 司くんが天井までぴゅーんって勢いよく飛び上がるのも
とってもおもしろかったよっ♪
えむ
あたしもあそこ大好き~!
司くん、ロケットみたいでカッコよかったな♪
寧々
飛び上がり過ぎて、天井突き抜けるかと思ったけどね
ワイヤーで飛んだあれか……。
正直あれは生きた心地がしなかったが……
だがオレは、最高のショーを作るための努力は惜しまん!
世界一のスターになる男だからな!
観客の笑顔のためならば、
危険が伴うステージでも、見事こなしてみせるともッ!
いやぁ、やっぱり司くんは頼もしいねえ
そんなスターのために、
新しい演出を追加したいんだけど……どうかな?
あ、新しい演出だと……!
えむ
えっ! それってどんなのどんなの?
おもしろい?
寧々
なんかまた嫌な予感しかしないけど……
いやいや、ちゃんと安全には配慮しているよ。
まあ、多少の勇気はいるかもしれないけどね
レン
おーい! みんなー!
えむ
むむ?
誰だろう?
ミク
あ、レンだ!
レーン!!
寧々
レンって……もしかして、鏡音レン?
レン
うん、ボクはレンだよ!
みんなよろしくね♪
レン
みんなのショーを見に行こうと思ったんだけど、
行く途中でぬいぐるみ達がケンカしてるの見かけちゃって……
レン
止めてたらこんなに遅くなっちゃったよ!
見られなくて残念だなぁ……
KAITO
KAITO
姿を見ないと思っていたら、
そういうことだったんだね
ふむ。それなら、せっかく新しいお客さんが
来てくれたことだし、もう1回やるのはどうだい?
えむ
やりた~い!
あたし何十回でもできちゃうよ!
寧々
な、何十回はちょっと……
寧々
……でも、もう1回くらいなら練習になるし、いいかな
ならば決まりだな!
オレ達のショーをとくと目に焼き付けるがいい!
レン
やったー!
ありがとう、みんな!
えむ
はあ~、楽しかったね~!
レンくんもいっぱい笑ってくれてよかったな~♪
寧々
うん。それにいろいろアドバイスももらえたしね
これで明日のショーは、成功間違いなしだな!
そうだね、明日は問題なさそうだから……
そろそろ次のショーのことを考えようかな
寧々
もう次?
ああ。また新しいアイディアが湧いてきたんだ。
次はもっと面白い演出ができると思うよ
えむ
もっとおもしろいの!?
楽しみだな~♪
……ということは必然的に、
オレのリスクも上がるわけか
寧々
その分目立つし、いいんじゃない?
自称スターなんだから
自称ではないッ!
えむ
大丈夫だよ司くん!
類くんの演出は全部おもしろいし!
たしかに面白い……。面白いが、またジェット噴射器を
背負うような真似をしなければならんのか……
……ダメかい? 司くん
この演出ができれば、
きっと素晴らしいショーになると思うんだけどねえ……
……ええい、わかったわかった!
お前の好きなようにしろ!
面白いショーのためなら、オレはどんな演出も受け入れてやる!
ただし、スターにふさわしい、
盛り上がる演出にするんだぞ
フフ、もちろんだよ
みんなが喜んでくれるような
とびきりの演出を用意してみせるとも
……あそこは、客席から登場するだけじゃインパクトがないな。
彼を騎士として印象付けるためには……
ああ、そうだ! そのほうがいいね!
ならまずは、どれだけ負荷がかかるか検証しないとねえ……!
寧々
……ふふっ
寧々
類、最近楽しそうだね
うん? そう見えるかい?
寧々
うん。すっごく楽しそう。
昔は……
寧々?
寧々
……ほら、昔は退屈そうだったけど、
最近はよく、アレな顔になってるし
おや、アレとはなんだい。心外だな
……でも、そうだね。
寧々の言う通り、充実した気分だよ
やりたいことをやりたいようにできると、
こんなにも素晴らしい気分になれるんだね
さて、舞台が整ったなら――あとは開演するだけだ。
次の演出を考えなくてはね
……ああ、そうか。前のショーで使ったあれを再利用するのも
いいかもしれないな。それなら司くんも慣れているし……
寧々
――ふふ。
よかったね、類
よーし! それでは今日も練習を……
着ぐるみ
お嬢様ー!
えむ
む? そんなに急いでどうしたのー?
着ぐるみ
今日、園内でイベントの告知がありまして……!
えむ
イベント? 
お父さん、そんなこと言ってなかったけど……
えむ
どんなイベントなの?
着ぐるみ
こちらが案内です
えむ
えーっと……
『第1回 フェニックス☆ショーコンテスト』?
ショーコンテスト……だと!?

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