Guiding a Lost Child to What Lies Beyond/Story/Chapter 6

From Sekaipedia
レン
『わあ……!』
ミク
『みんな、楽しそうだね』
レン
『うん、ニコニコしてる』
絵名
やっぱり人多いねー。
前に来た時は、もう少しゆっくり歩ける感じだったのに
瑞希
例のナイトショーでバズったみたいだしね。
それに今、あちこちで宣伝公演もやってるみたいだし
地方から遊びに来てる人も多いみたい
そうなんだ……。
瑞希、詳しいね
瑞希
ま、ショーキャストやってる知りあいがいるからねー。
ナイトショーの演出も担当したみたいだし、
時間があればみんなで見たいけど——
まふゆ
…………
まふゆ、大丈夫?
まふゆ
……うん
まふゆ
(……もう、模試が始まった時間だ)
まふゆ
(……お母さんになんて言われるかな。
せっかく、応援してくれてたのに)
まふゆ
(今からでも、戻ったほうが——……)
???
——あれ、朝比奈センパイ?
まふゆ
え……
瑞希
ごめん、ミク達隠れて!
ミク
『わ、わかった……!』
まふゆ
——鳳さん?
えむ
ひゃっ!?
えむ
だ、大丈夫ですか?
なんだか、いつもより元気がないような——じゃなくて!
いつもと雰囲気が違う気が……
まふゆ
……うん、ごめんね。大丈夫だよ
まふゆ
でも、こんなところで会うなんて偶然だね。
遊びに来たの?
えむ
あっ、あたしはこれからショーをやるんです!
実はここでショーキャストしてて!
まふゆ
あ……そうだったね。
そっか、ごめん。前に教えてもらってたね
えむ
ううん、大丈夫です!
朝比奈センパイはお友達と遊びに来たんですか?
まふゆ
……うん、そうだよ
絵名
ショーキャストって……、
もしかして、ナイトショーにも出るの?
えむ
はいっ!
ナイトショーの前に、ワンダーステージでもショーをやるので
皆さんもよかったら見に来てください!
瑞希
ありがと! ちょうど見たいね~って話してたんだ!
えむ
えへへ……!
わんだほいな気持ちになれるように、がんばります!
わんだほい……?
えむ
じゃあ、えっと、朝比奈センパ——
まふゆ
……ん?
えむ
いひゃっ!
まふゆ
どうしたの?
えむ
えと、えと……!
えむ
——朝比奈センパイ!
フェニックスワンダーランド、楽しんでください!
えむ
ここは、みーんなを笑顔にしてくれる場所なのでっ!
まふゆ
え……
まふゆ
——うん、ありがとう
えむ
じゃあ、あたしはこれで!
瑞希
ばいばーい! ショー、がんばってね!
まふゆ
……笑顔にしてくれる、場所……
瑞希
あの子、まふゆの後輩?
すごく明るい子だったね
まふゆ
……うん
ミク
『でも、まふゆのこと怖がってるみたいだった』
レン
『まふゆちゃん、怖くないのにね……』
絵名
いや、さっきのまふゆは十分怖かったと思うけど
まふゆ
……そうだったかな
絵名
ま、今日は仕方ないんじゃない?
遊びに来てるんだから、無理する必要もないでしょ
まふゆ
…………うん
まふゆ、大丈夫?
もし調子が悪いなら、少し休んでも——
まふゆ
別に、平気。
何か乗るのなら、つきあうよ
瑞希
ホント!?
じゃあ、ちょうど乗りたいのがあるんだよね!
みんなで行こうよ!
ミク
『乗るって、何?』
瑞希
あー、アトラクションって言ってね、
みんなで乗り物に乗ったりして遊ぶんだ
瑞希
ちなみにボクが乗りたいのは、フェニックスコースター!
絵名
それって、結構本格的なやつじゃなかった?
レン達もいるし、もう少し子供向けのやつにすれば?
瑞希
とかいって、絵名が怖いんじゃない?
絵名
は? そんなわけないでしょ!
レン
『こ、怖いの?』
瑞希
あー、大丈夫だとは思うけど……。
子供向けのほうに乗ってみて、いけそうなら
ちょっと速いやつに乗ろうか!
絵名
ま、それならいいんじゃない?
ミク
『わかった』
そういえば、まふゆはここに来たことあるの?
まふゆ
……あるよ
絵名
えっ!? あるの!?
まふゆ
……そんなに驚くこと?
絵名
いや、まあ不思議じゃないけど。
今のあんたとフェニランが結びつかなくて……
まふゆ
……来たのは、子供の頃にお母さんと一度だけ
そっか……
まふゆ
(お母さんと来た時は、どんな感じだったっけ……)
まふゆ
(……思い出せない)
まふゆ
(……お母さん——)
瑞希
とうちゃーく!
じゃ、さっそく乗ってみよーう!
まふゆ
…………
瑞希
あー、楽しかった~!
レン
『ぼくも……!
びゅーんってなる乗り物、すごかったね』
ミク
『うん、びっくりしたけど景色が綺麗だった』
絵名
気に入ったならいいけど、
……私はちょっと休みたいかも
わたしも……
まふゆ
……飲み物買ってくる
まふゆ
……結局、この時間までいちゃったな。
今から行っても……意味ない、か
まふゆ
(お母さん、悲しむだろうな……)
ミク
『まふゆ。大丈夫?』
まふゆ
……わからない。
どうしてここに来たのかも、よくわかってないから
まふゆ
……本当に、なんで来ちゃったんだろう
レン
『……。
ま、まふゆちゃんは——……』
レン
『……みんなといるより、
模試っていうのに、行きたいの……?』
まふゆ
それは……
まふゆ
(……模試のほうが大事なのは、わかってる。
お母さんだって、それを望んでる)
まふゆ
(でも——)
まふゆ
…………やっぱり、わからない
ミク
『……あれ?』
ミク
『まふゆ。奏達、いないよ』
まふゆ
え……? あれ——
まふゆ
私、どこから来たんだっけ……

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