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< Revival my dream | Story
森の少女
『えーいっ!』
将校
『よし……!!』
森の少女
『で、できた~! できたよ将校さん!
あたし跳んじゃった!』
あたし跳んじゃった!』
森の少女
『あ、喜んでる場合じゃないね!
今、縄を解いて……』
今、縄を解いて……』
将校
『——ありがとう』
森の少女
『へ?』
将校
『君は、私達に偏見を持たず、恐怖することもなく、
勇気をもって、私の心の中にある垣根を跳び越えてくれた』
勇気をもって、私の心の中にある垣根を跳び越えてくれた』
将校
『そうして今、私達のあいだにあるとてつもなく大きな垣根を
跳び越えるために、手を差し伸べてくれている』
跳び越えるために、手を差し伸べてくれている』
将校
『……本当に、ありがとう』
森の少女
『……えへへっ!
将校さんに褒められると、なんだか照れちゃうな~!』
将校さんに褒められると、なんだか照れちゃうな~!』
森の少女
『でも、あたしだけじゃなくて、
将校さんも——みんなも、きっと跳べるよ!』
将校さんも——みんなも、きっと跳べるよ!』
将校
『……ああ、そうだな。
森の民と町の民、双方に宝を届け、そして伝えるとしよう』
森の民と町の民、双方に宝を届け、そして伝えるとしよう』
将校
『約束はしっかりと果たされたこと。
そして、どんな垣根であろうと、
我々は必ず越えられるということを——!』
そして、どんな垣根であろうと、
我々は必ず越えられるということを——!』
森の少女
『うんっ!!』
観客達
本当にジャンプするなんて思わなかったわ!
観客達
こっちまでドキドキしたね
Rui
(……ああ。
僕達のショーで、客席が笑顔に染まっていく)
僕達のショーで、客席が笑顔に染まっていく)
Rui
(僕は、なんて——)
大臣の部下
『……なぜ、森の人間と町の人間が、手を取り合って……?』
森の少女
『あたし達はもう、ケンカするのはやめたの!』
将校
『本当の敵は誰なのか、私達は知った。
それは——私達を憎みあわせようとする、お前だ!』
それは——私達を憎みあわせようとする、お前だ!』
大臣の部下
『く……うわあ!』
Tsukasa
本日はご来場いただき、
まことにありがとうございました!
まことにありがとうございました!
Emu, Nene & Rui
『ありがとうございました!』
観客達
楽しかったわね!
観客達
あのジャンプのシーンは本当にドキドキしたね
観客達
ああいうお芝居を見たのって初めてだけど、
遊園地でもやってるんだね。
今度見に行ってみようかな
遊園地でもやってるんだね。
今度見に行ってみようかな
Nene
……ふふっ。
みんな興味持ってくれてるみたい
みんな興味持ってくれてるみたい
Tsukasa
今回の観客は普段テーマパークに行くような層ではないが、
この様子ならば期待できそうだな!
この様子ならば期待できそうだな!
Emu
やった~!!
今回も大成功だねっ!!
今回も大成功だねっ!!
Rui
——ああ、そうだね
Rui
さて、お客さん達もほとんど席を立ったことだし、
あと片づけを始めようか
あと片づけを始めようか
Rui
僕は、命綱を外してくるよ。
少し外しかたが難しいからね
少し外しかたが難しいからね
Tsukasa
あ、おい! 類!
Tsukasa
……どうしたんだ?
さっさと片づけに行ってしまって
さっさと片づけに行ってしまって
Emu
うん。
類くん、なんだかいつもとちょっと違うね
類くん、なんだかいつもとちょっと違うね
Nene
たしかに、いつもならショーが終わったら、
もっと嬉しそうにしてるのに……
もっと嬉しそうにしてるのに……
Emu
あっ!
もしかして、あたしどこか間違えちゃったかな!?
もしかして、あたしどこか間違えちゃったかな!?
Emu
それで怒ってたらどうしよう……!
類くんに聞いてくるー!
類くんに聞いてくるー!
Nene
あ、えむ!
Rui
よし。この金具を外して……
Emu
類く~ん!!
Rui
ん?
どうしたんだい、えむくん
どうしたんだい、えむくん
Emu
えと、えと……!
あたし、セリフがスポーンてしちゃったかな!?
あたし、セリフがスポーンてしちゃったかな!?
Rui
うん? なんだか話がつかめないんだけれど……
Tsukasa
お前の様子がいつもと違うから、
気になっているんだ!
気になっているんだ!
Rui
え?
Tsukasa
いつもの類ならば、公演後はニヤニヤして、
次はどうしようかな~、司くんを土に埋めてみようかな~、
などと言っているだろう!
次はどうしようかな~、司くんを土に埋めてみようかな~、
などと言っているだろう!
Tsukasa
それが今日に限って妙に淡泊だからな。
どうしたんだ?
どうしたんだ?
Nene
何考えてるか知らないけど、
別に怒ってるわけじゃないんでしょ?
別に怒ってるわけじゃないんでしょ?
Emu
ほんとー?
あたし、どこも間違えてなかったー?
あたし、どこも間違えてなかったー?
Rui
…………ふふ。
間違えてなんていないさ
間違えてなんていないさ
Rui
むしろ、全員完璧だったよ
Tsukasa
じゃあなぜ今日は妙に落ち着いているんだ?
いつもなら、もう少し嬉しそうにしてるだろう
いつもなら、もう少し嬉しそうにしてるだろう
Rui
…………ああ
Rui
うまく言い表せなくてね
Emu
え?
Rui
いや——この感情を表現してしまうのはもったいないと
思ったのかもしれない
思ったのかもしれない
Rui
……ちゃんと僕の中にしまっておきたい、のかな
Emu
うーんと……?
Tsukasa
どういう意味だ?
Nene
あ——
Nene
もしかしたら、類が言いたいこと、
なんとなくわかるかも
なんとなくわかるかも
Emu
ほんと!? 寧々ちゃん、すごーいっ!
Rui
おや、さすがだね。寧々
Nene
長いつきあいだからね。
——でもさ、類
——でもさ、類
Nene
せっかく嬉しいことがあったんなら、
みんなに話してみるのもいいんじゃない?
みんなに話してみるのもいいんじゃない?
Nene
ここにはみんないるんだしさ
Rui
…………
Rui
……ふふ。そうだね。
この感動を独りじめをすることこそ、もったいないしね
この感動を独りじめをすることこそ、もったいないしね
Rui
じゃあ、そっちに下りて話そうか
Tsukasa
それで? 一体どうしたんだ?
Rui
うん。
つまり僕は今日のショーを見て……
つまり僕は今日のショーを見て……
Rui
僕はなんて幸せ者なんだろう、って思ったんだよ
Emu
えーっと……じゃあ類くん、
ショーが成功したから喜んでたの?
ショーが成功したから喜んでたの?
Rui
ああ。そうだよ
Rui
今までにないくらい嬉しくて、
どうしたらいいのかわからなかったのさ
どうしたらいいのかわからなかったのさ
Emu
そうだったんだ……。
よかった~!!
よかった~!!
Tsukasa
そういうことなら安心したが……。
しかし、わかりづらいな
しかし、わかりづらいな
Rui
あんまり素敵なことがあると、
逆に冷静になってしまうのかもしれないねえ
逆に冷静になってしまうのかもしれないねえ
Rui
——僕の夢はね、誰が見ても笑顔になれる、
どんな垣根も越えられるような、そんなショーを作ることなんだ
どんな垣根も越えられるような、そんなショーを作ることなんだ
Rui
昔は、それができなかった。
僕自身が歩み寄れなくてね
僕自身が歩み寄れなくてね
Rui
でも、今は違う。
僕はここで、僕の夢を叶えられている
僕はここで、僕の夢を叶えられている
Rui
だから——
Rui
ありがとう
Emu
ねえねえ類くん!
次はどんなショーやろっか!?
次はどんなショーやろっか!?
Rui
え?
Emu
あたし、類くんの演出で、
もっともっとショーやりたいんだ~~!!
もっともっとショーやりたいんだ~~!!
Tsukasa
そうだな! さらにオレを輝かせる演出を頼むぞ!
……事故のない範囲でな!
……事故のない範囲でな!
Nene
わたしが歌うシーンも、いい演出つけてよね?
Rui
……フフフ。
そうだねえ。それじゃあ次は——
そうだねえ。それじゃあ次は——
Rui
——こんな演出はどうだい?