Revival my dream/Story/Chapter 7

From Sekaipedia
Otori Emu
Emu
わ! お庭にお客さんたくさん来てるね~!
Kusanagi Nene
Nene
……あ。
落ち着いた雰囲気の人と、中学生っぽい子達が多いね
Nenerobo
Nenerobo
オ兄サン達が言ッタトオリデスネ!
Tenma Tsukasa
Tsukasa
なーに、どんな客だろうと関係ない!
オレ達はみんなが笑顔になるショーをするのみだ!
Kamishiro Rui
Rui
ああ、そのとおりだ
Kamishiro Rui
Rui
さてみんな——開演の準備はできたかい?
Otori Emu
Emu
うん! みーんな笑顔になれるショーにしようねっ!
将校
『……まったく、どうしたものか』
将校
『まさか部隊の隊長に就任して早々、
森の連中に襲われてしまうとは……。
やはり、やつらは野蛮で攻撃的だな』
将校
『早く館にもどらねば。
もしひとりでいるところを見つかったらどんな目にあうか——』
???
『あれー?
こんなところでどうしたのー? 迷子?』
将校
『うわっ!!
木の上から声が……!?』
???
『む? おじさん、見かけない人だね!
もしかして、町の人?』
将校
『だ、誰がおじさんだ!
私は国よりこの森の監督を任された、将校だぞ!』
将校
『は……! つい言ってしまったが、この少女は
森の人間では!?』
森の少女
『ふーん……』
森の少女
『しょーこーさんっていうんだね!
よろしくね!』
森の少女
『迷ってるなら、あたしが道を教えてあげる!
こっちだよー!』
将校
『……何?
あ、ま、待て!』
観客達
こんなところでお芝居なんて
何をするのかしらって思ったら、
良くできてるわね
観客達
うん。普段は遊園地でショーをやっている子達らしいね
Kamishiro Rui
Rui
(……いい感触だ。
えむくんと司くんの調子もいい)
Kamishiro Rui
Rui
(あとは、あのシーンさえやり切ることができれば——)
少女の友達
『ええ!?
町の人間と話をしたの!?』
森の少女
『うん! みんな町の人は悪い人っていうけど、
全然そんなことなかったよ!』
少女の友達
『それはそういうフリをしてるだけ。
わたし達を騙そうとしてるの!』
少女の友達
『あいつらに捕まったら、売られて違う国に
連れていかれちゃうから、もう近寄っちゃだめ!』
森の少女
『ええ~。
そんなひどい人には見えなかったんだけどなぁ……』
将校
『……まったく、また来たのか。
一度だけだと言っただろう』
森の少女
『ごめんなさい!
でもあたし、将校さんが悪い人だって思えないから、
どーしてもまた会いたくて』
森の少女
『それに、あたし達だって、
将校さんが言うような悪い人じゃないの。
だから、将校さんにわかってほしくて……』
将校
『……そうか……』
将校
『そうだな。私も、君達森の民が、
噂のような悪い人間には思えない』
将校
『——私にも、もっと教えてくれないか?
君達のことを』
将校
『もしかすると私達は、
ただ酷い誤解をしているだけなのかもしれない』
森の少女
『……うん!
いっぱいお話しよう! 将校さん!』
大臣の部下
『——将校、お初にお目にかかります。
この度は大臣の命令でこちらに参りました』
将校
『ああ。君が新しく派遣されてきた参謀役か。
よろしく頼む』
大臣の部下
『……さて、大臣の命令どおり森の黒い油を奪うためには、
まずは彼をどうにかしなければいけませんね』
大臣の部下
『最近、彼の働きで森の人々と町の人々は、
急速に関係をよくしていっています。
このままでは森から黒い油を奪うのは難しいですが——』
将校
『そうか! では森の宝と、町の宝を交換することで、
新たな和平の条約が結べるようになるのか!』
森の少女
『うん!
将校さんが長老と町長から宝を受け取って、
交換してくれれば大丈夫だって!』
将校
『そうか……!
これでもう、おたがいに憎しみあわなくて済むな!』
大臣の部下
『和平条約を……?
なるほど、考えましたね』
大臣の部下
『——そういうことであれば、作戦を変えましょうか』
将校
『よし! 森の宝と町の宝。
両方を預かることができた』
将校
『あとは、これをそれぞれのところに持っていけば……。
うわっ!!』
大臣の部下
『——お気の毒ですが、
あなたにはここで大人しくしていてもらいましょう』
将校
『お前は……!
どうして邪魔をする!』
大臣の部下
『申し訳ありませんが、森の人々と町の人々には、
いがみあっていてもらわないと不都合でして』
大臣の部下
『さて、将校どのにはしばらく部屋で
大人しくしていただきましょうか』
将校
『やめろ……! はなせ!!』
大臣の部下
『……フフ。
あとは皆が寝静まる夜を待って、
宝ともども消えてもらいましょう』
大臣の部下
『そして双方には、宝が消えたことだけを伝えればいい。
勝手に互いを疑って、ぶつかりあうことでしょう』
大臣の部下
『そうなれば、堂々と我々の武力で
森の民を皆殺しにできるというものです』
大臣の部下
『これで黒い油は、私達のもの。
……フフ、これで我が主も王の座に一歩近づきますね』
少女の友達
『はぁ……はぁ……みんな、大変よ!』
森の少女
『ええっ!? 将校さんが宝を奪っていなくなった!?』
少女の友達
『そうなの! 
それで怒った森のみんなが、町を焼き討ちにするって……!』
少女の友達
『そんなことしたら、町の連中だけじゃなくて、
軍隊が森にやってきて、めちゃくちゃにされちゃう……!
早く逃げないと!』
森の少女
『……ううん!
将校さんを助けに行かないと!』
少女の友達
『え!?』
少女の友達
『まだそんなこと言ってるの!?
あいつは、裏切り者なんだよ!』
森の少女
『違う! 将校さんはきっと何か事情があって、
宝を届けられないだけだよ!』
森の少女
『あたし、会って確かめてくる。
そうしたら、きっとみんなも誤解だってわかってくれる!』
森の少女
『あたしは将校さんがどんな人かわかってる。
だから——あたしが行かなくちゃ!』
森の少女
『——よし! 木に登って将校さんを助け出そう!
いつもより見回りの人が多いから、そーっと登って……』
森の少女
『あ! ここから先の枝が切られちゃってる!
もしかして、あたしが登ってこれないように……?』
将校
『く……!
誰か! 誰かここから出してくれ!』
森の少女
『あ、将校さんだ!
将校さん!』
将校
『え? あれは……!
……よし、後ろ手でも、窓の鍵くらいは開けられる!』
将校
『——お前! どうしてここに来たんだ!
殺されるぞ!』
森の少女
『あたし、森も、町も、守りたいの!
みんなでちゃんと仲直りしたい!』
森の少女
『だからあたしが、今からそっちに行って
将校さんを助けるよ!』
将校
『こっちに——? まさか、跳びうつる気か!?
落ちたら大ケガをするうえに、見回りの兵士につかまるぞ!』
森の少女
『絶対落ちない!
あたしを信じて!』
森の少女
『あたしは絶対——跳び越えてみせる!』
将校
『…………!』
将校
『わかった! 一緒にすべてを明らかにして、
この無益な戦いを終わらせよう!』
将校
『跳んでくれ!』
森の少女
『——うん!!』
観客達
…………!
Kusanagi Nene
Nene
…………
Kamishiro Rui
Rui
(——さあ、クライマックスだ)
Kamishiro Rui
Rui
(頼んだよ、ふたりとも!)
森の少女
『いくよ——!』

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