Miku
『あ……桜だ……!』
Ichika
ストリートライブの帰りに、咲いてるの気づいたんだ。
ミクに見せたくって
ミクに見せたくって
Miku
『ふふ、ありがとう。
なんだかこの桜、今まで見た桜よりも綺麗に見えるよ』
なんだかこの桜、今まで見た桜よりも綺麗に見えるよ』
Ichika
うん、私も
Ichika
……ミクと、一緒に見てるからかな
Miku
『え? 私と?』
Ichika
うん。
大事な人と見る景色って、
ひとりで見るよりずっと綺麗で特別に見えるんだ
大事な人と見る景色って、
ひとりで見るよりずっと綺麗で特別に見えるんだ
Ichika
桜も、星空も、教室も……。
大切な人と見れば、大切な思い出になるんだと思う
大切な人と見れば、大切な思い出になるんだと思う
Ichika
ミクは私にとって大切な存在だから、
きっと今日の桜が綺麗に見えるんだよ
きっと今日の桜が綺麗に見えるんだよ
Miku
『一歌……』
Ichika
……このあいだ、この桜を見てミクの歌を歌ってたら、
ミクに会いたくなったんだ
ミクに会いたくなったんだ
Ichika
なんていうか……ミクと出会ってから、
いろんなことがあったなあって思って
いろんなことがあったなあって思って
Miku
『ふふ、そうだね。
初めて会った時と今じゃ、いろんなものが変わったし』
初めて会った時と今じゃ、いろんなものが変わったし』
Ichika
……うん。あの時は、また4人で
バンドができるなんて思ってなかった
バンドができるなんて思ってなかった
Ichika
バンドどころか……もう4人で一緒にいることも
できないだろうなって思ってた
できないだろうなって思ってた
Ichika
私は、ミクのおかげでみんなと一緒にいられて、
ここまで歩いてこれたんだよ
ここまで歩いてこれたんだよ
Miku
『そっか……』
Ichika
……今日は歌と一緒に、この気持ちを
ミクに伝えたいなって思って呼んだの
ミクに伝えたいなって思って呼んだの
Ichika
その……ミクの前でミクの歌を歌うのは恥ずかしいけど……
Miku
『ふふっ、大丈夫だよ。
聴かせて。今の一歌の歌』
聴かせて。今の一歌の歌』
Ichika
♪————
Miku
(……綺麗な歌声)
Miku
(一歌と出会ってから……か)
Miku
(初めて出会った時、一歌は悲しそうな顔をしてたな)
Miku
(4人で一緒にいたいって想いを持ってるのに、
一歩を踏み出せずにいた)
一歩を踏み出せずにいた)
Miku
(でも、初めて4人でセカイで演奏した時……)
Miku
(あの時の演奏は、音もテンポもバラバラだった)
Miku
(けど、大事なものを思い出しているような音で……。
みんな、心の中にある想いは同じなんだってわかった)
みんな、心の中にある想いは同じなんだってわかった)
Miku
(セッションのあとはケンカみたいになっちゃったけど……。
でも、そこで終わりじゃなかった)
でも、そこで終わりじゃなかった)
Saki
なんとアタシ達、バンドを始めたの!
Miku
(最初は一歌と咲希だけだったんだよね)
Miku
(でも、あの時セカイに来た一歌の顔は、
ちょっと変わってた)
ちょっと変わってた)
Miku
(『できない』って諦めてる顔じゃなくて、
『できることをしよう』っていう真剣な顔)
『できることをしよう』っていう真剣な顔)
Miku
(それで、次にセカイに来た時には——)
Saki
ミクちゃん! ルカさん! お邪魔します!
アタシ達しほちゃんとバンドを組むために、
この曲マスターしたいんです!
アタシ達しほちゃんとバンドを組むために、
この曲マスターしたいんです!
Ichika
きゅ、急にごめん。志歩とバンドできるかもしれなくて……!
だから、もっと練習を見てもらいたいの。
いいかな……?
だから、もっと練習を見てもらいたいの。
いいかな……?
Miku
(ふたりとも、志歩と一緒に演奏したいって強く想って、
一生懸命練習してたな)
一生懸命練習してたな)
Miku
(その想いが届いて、志歩とも一緒にいられるようになった)
Miku
(そして——)
Ichika
みんな大好きで——大切な友達なの
Miku
うん
Ichika
だから……
Ichika
……私、4人で、一緒にバンドしたい。
別に、絶対にバンドじゃなくてもいいのかもしれないけど……
別に、絶対にバンドじゃなくてもいいのかもしれないけど……
Miku
(一歌は、本当の想いを見つけた)
Miku
(穂波も、一歌の言葉で本当の想いを見つけて、歌が生まれた)
Miku
(すれ違っていた時間はあったけど、
今4人は、バンドとしてまとまりかけてる)
今4人は、バンドとしてまとまりかけてる)
Miku
(それに、一歌は……)
Ichika
♪————
Miku
(今、新しい一歩を踏み出してる)
Miku
(私は、一緒に歌うことしかできないけど……)
Miku
(でも、それが一歌達の助けになるなら、
これからも一緒に歌って、一緒に悩んでいきたいな)
これからも一緒に歌って、一緒に悩んでいきたいな)
Ichika
……ふぅ
Miku
『すごく良かったよ、一歌。
特訓の成果が出てるみたい』
特訓の成果が出てるみたい』
Miku
『この歌なら、きっとみんなの心に届くんじゃないかな』
Ichika
……ありがとう、ミク
Ichika
ミクにそう言ってもらえると、
一番自信がつくような気がする
一番自信がつくような気がする
Ichika
あのね、ミク。
今日ミクをここに呼んだのは
もうひとつ伝えたいことがあって——
今日ミクをここに呼んだのは
もうひとつ伝えたいことがあって——
???
あれ……一歌ちゃん?