Solitus Utopia/Side Story 1

From Sekaipedia
Main Street
Akiyama Mizuki
Mizuki
——このブラウス、フリルついててすごくカワイイな!
Akiyama Mizuki
Mizuki
色がパステル系なのも、デザインのまとまりがよくて ボク的にはポイント高いし……。 いいの見つけちゃったかも!
Akiyama Mizuki
Mizuki
(今日は学校もあって疲れてたけど、 やっぱりカワイイ服を見てるとテンション上がるな)
Akiyama Mizuki
Mizuki
(せっかくだし、他にも何かないか見て——)
Kamiyama High School Student A
——ねえ。あれってもしかしてさ、例の1年生じゃない?
Akiyama Mizuki
Mizuki
…………
Kamiyama High School Student B
本当だ……。 やっぱり、ああいう可愛い感じの服見るんだね
Kamiyama High School Student A
ね~。普通にいてびっくりした
Akiyama Mizuki
Mizuki
(はあ……。 そういうのは聞こえないように言ってくれないかな)
Akiyama Mizuki
Mizuki
(まあいいや、無視無視)
Akiyama Mizuki
Mizuki
よし、このブラウスにき~めた! 着るのが楽しみだな~♪
Girl Passing By A
わ……この服、かわいい
Akiyama Mizuki
Mizuki
(お……そのトップス、ボクも買うか迷ったんだよね~。 バイト代が入ってたら、ブラウスと一緒に買ったんだけどなあ)
Girl Passing By B
——え、こういうフリルたくさんついてる服が好きなの?
Girl Passing By A
あ、う、うん……実はそうなんだ
Girl Passing By B
……まあ似合わないわけじゃないだろうけど、 ちょっと服が大人っぽすぎない?
Girl Passing By A
あはは……。 やっぱり、そうかな……
Akiyama Mizuki
Mizuki
(そんなことないよ! 髪をハーフアップにして、 ちょっと抜け感とか持たせれば、めちゃくちゃ似合うって!)
Girl Passing By B
そうだ! もっと似合いそうな服があるショップ知ってるから 今からそこに行かない?
Akiyama Mizuki
Mizuki
(ちょっと……!)
Girl Passing By A
あ……じゃあ、お願いしちゃおうかな
Girl Passing By B
オッケー、任せといて!
Akiyama Mizuki
Mizuki
(はあ……。 あの友達、よかれと思って言ったんだろうけど……)
Akiyama Mizuki
Mizuki
(本人が好きって言ってるのに、 あんな言いかたしなくてもいいじゃん)
Akiyama Mizuki
Mizuki
(あの子もあの子だよ! なんで何も言わないんだろう。 あんな風に我慢したら苦しいだけなのに……)
Akiyama Mizuki
Mizuki
(……あ。そんなこともない、か……)
Akiyama Mizuki
Mizuki
(自分の好きなものを貫くのも、しんどいしな)
Akiyama Mizuki
Mizuki
(普通に生きてても、 着たい服を着れないことも、あるなんて……)
Akiyama Mizuki
Mizuki
……はあ。 帰ろっと……
Mizuki's Room
Akiyama Mizuki
Mizuki
『——それで、色合いとかデザインがすっごい良くてさ、 つい新しい服買っちゃったんだ~♪』
Shinonome Ena
Ena
『へえ。センター街のお店って言ったよね。 今度、私ものぞきに行こうかな』
Akiyama Mizuki
Mizuki
『うんうん! ほんとカワイイ服ばっかりだからオススメだよ!』
通りすがりの女の子B
——え、こういうフリルたくさんついてる服が好きなの?
通りすがりの女の子A
あ、う、うん……実はそうなんだ
Akiyama Mizuki
Mizuki
…………
Akiyama Mizuki
Mizuki
(……そういえばあの子、結局友達のオススメのお店に行って 薦められた服、買っちゃったりしたのかな)
Shinonome Ena
Ena
『……Amia? 急に黙っちゃって、どうかしたの?』
Akiyama Mizuki
Mizuki
『あ……。 ちょっと思い出しちゃったことがあって……』
Shinonome Ena
Ena
『え、何?』
Akiyama Mizuki
Mizuki
『何って……えっと……』
Akiyama Mizuki
Mizuki
(……隠すのも変だし、余計な心配させるのもな)
Akiyama Mizuki
Mizuki
『実はさ——』
Shinonome Ena
Ena
『はあ? 何それ、実際着てみたわけでもないに なんで似合わないって決めつけるわけ?』
Shinonome Ena
Ena
『私なら、似合うようなコーディネートを一緒に探すのに……! 友達なら、その子のことちゃんと見てあげなさいよね!』
Akiyama Mizuki
Mizuki
『あはは。えななんって、実は友達想いだもんね~』
Shinonome Ena
Ena
『実はって何? 友達なんだから、大切にするに決まってるでしょ』
Yoisaki Kanade
Kanade
『——Amia、絵コンテの確認終わったよ』
Akiyama Mizuki
Mizuki
『ありがとう、K! まだ25時じゃないのにごめんね~』
Yoisaki Kanade
Kanade
『ううん。巻きで進めてくれてて助かるよ』
Shinonome Ena
Ena
『そうだ、K。 Kも、自分のファッションに口出されたら嫌だよね?』
Yoisaki Kanade
Kanade
『え……? ファッション?』
Akiyama Mizuki
Mizuki
『Kが絵コンテを見てくれてるあいだ、 ボクが見かけた女の子達の話をしてたんだ』
Shinonome Ena
Ena
『そう! 片方が好きって言った服に もう片方が文句つけて、別の店に連れていったんだって! 信じられないよね』
Yoisaki Kanade
Kanade
『そうなんだ……』
Yoisaki Kanade
Kanade
『……ファッションのことはよくわからないけど。 好きな服を着るのが一番いい気がするな』
Yoisaki Kanade
Kanade
『おかげでわたしは、毎日快適にすごせてるし』
Akiyama Mizuki
Mizuki
『あはは。たしかにね~』
Yoisaki Kanade
Kanade
『あ……。お腹が鳴った……』
Akiyama Mizuki
Mizuki
『晩御飯時だしね。ボクも、何か食べてこようかな』
Shinonome Ena
Ena
『私もそうしよっと。 じゃあ、また25時に』
Akiyama Mizuki
Mizuki
『ほいほーい』
Akiyama Mizuki
Mizuki
好きな服が一番、か……
Akiyama Mizuki
Mizuki
(みんながみんな、絵名や奏みたいに考えてくれたら、 ボクもちょっとは楽に生きられるのかな……)
Akiyama Mizuki
Mizuki
でも……
Akiyama Mizuki
Mizuki
…………
Akiyama Mizuki
Mizuki
どんなものをカワイイと思っても、 誰にも何も言われないような場所があったらな……
Akiyama Mizuki
Mizuki
あはは……なーんてね♪ ご飯食べて、早く作業を——
Akiyama Mizuki
Mizuki
え……
Empty SEKAI
Akiyama Mizuki
Mizuki
あ、あれ……ボク、なんでセカイに……?
Akiyama Mizuki
Mizuki
ん? 何か転がってきた。 なんだろう、これ。ちょっと光ってるみたいだけど……
Akiyama Mizuki
Mizuki
わっ! ちょっと、なに!?
MEIKO
MEIKO
——今のは……
???
Akiyama Mizuki
Mizuki
ん……。なんだったんだろ、あの光る玉……
Akiyama Mizuki
Mizuki
って、ええっ!? ここ、どこ!?
Akiyama Mizuki
Mizuki
どこかのショッピングモール……かな? ——あっ!
Akiyama Mizuki
Mizuki
何この服屋! めちゃカワじゃん! 隣の雑貨屋もオシャレ~!
Akiyama Mizuki
Mizuki
向こうにも別の服屋がある! ヤバっ、雰囲気からして好みのお店な予感!
Akiyama Mizuki
Mizuki
……せっかく来たんだし、 ちょっとくらいのぞいていってもいいよね?
Akiyama Mizuki
Mizuki
あ、そうだ♪ 出口探すついでってことで!
Akiyama Mizuki
Mizuki
よーし! じゃあまずは、服屋さんからレッツゴー!

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