The Songstress Everyone Knows/Side Story 2

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…………
(……ここは、外した方がいいかな。
こっちのエフェクトを入れて……)
……ん?
(動画? 雪からだ……)
ミク
会場のみんな、こんにちはー!
ミク
今日は来てくれてありがとう!
最後まで一緒に、楽しもうね!
ミク
それじゃあ……ミュージック、スタート!
(これ……初音ミクのイベントの動画……?)
【K】
『雪、これは?』
【雪】
『あ、ミュートしてたのにごめんね。
見せたい動画があったからつい』
【雪】
『さっき送ったのは
バーチャル・シンガーのイベントなんだけど……』
【K】
『期間限定でネット配信してるやつでしょ』
【雪】
『そうそれ。さすがKだね。もうチェックしてたんだ』
【K】
『うん。バーチャル・シンガーには、
いろいろなクリエイターが関わってるから、勉強になる』
【雪】
『そっか。実は私も、最近ちょっと興味がわいて、
いろいろ聞き始めたんだ』
【雪】
『特に……ミクが歌ってる曲』
【K】
『そう……』
【雪】
『……Kはミクのこと、どう思う?』
【K】
『どうって?』
【雪】
『つくった曲を、
ミクに歌ってもらおうって思ったことはないの?』
【K】
『……考えたことはあるよ。
今でも、選択肢のひとつには入ってる』
【K】
『たとえば……ちょっと、ここ聞いてみて』
ミク
――――♪ ――――♪
【K】
『……このあたり』
【K】
『この高音域は、
人がやろうとするとどうしても無理してる感じが出ちゃう』
【K】
『それから……』
ミク
――――♪ ――――♪
【K】
『これだけ早口になっても、ちゃんと歌詞を聞き取れる』
【雪】
『そうだね』
【K】
『音域も広いし、声質も多彩。吐息もリアル』
【K】
『ミクにしか出来ない表現はたくさんある』
【K】
『でも……』
【雪】
『でも?』
【K】
『……ううん』
【K】
『もしわたしが、そんなミクのための曲を
つくることができたら……その時は歌ってもらうかもしれない』
【雪】
『ミクのための曲……』
【雪】
『そっか。楽しみだな』
【K】
『……ねえ、雪』
【雪】
『なあに?』
【K】
『雪はどうしてミクに興味を持ったの?』
【雪】
『あ、たいしたきっかけじゃないんだけど』
【雪】
『ちょっとした出会いがあって』
【K】
『出会い……?』
【雪】
『うん。……あ、作業の邪魔しちゃってごめんね。
私も自分の作業に戻るから、続けて』
【K】
『……うん。そうする……』
ミク、か……
ミク
みんな、聴いてくれてありがとう!
ミク
これからもたくさん歌うから、
みんな、よろしくね♪

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