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On Your Feet/Story/Chapter 8

From Sekaipedia
Revision as of 07:11, 16 August 2023 by Nepeta (talk | contribs) (added jp)
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数十分後
空港
Shiraishi An
An
……行っちゃったね
Azusawa Kohane
Kohane
うん……
Azusawa Kohane
Kohane
……やっぱり、見送りに来てよかったな。 言いたいことも全部言えて、スッキリした気がする
Shiraishi An
An
ふふっ。 こはねってば、バシッて言っててかっこよかったよ!
Azusawa Kohane
Kohane
えへへ、そうかな
Shinonome Akito
Akito
ま、お前にしちゃ上出来だったんじゃねえか
Aoyagi Toya
Toya
ああ。 ……言ったからには、超えなければな
Shiraishi An
An
だね! よーっし、頑張ろう!!
Azusawa Kohane
Kohane
うんっ!
Shiraishi An
An
にしても、学校サボっちゃったね~
Aoyagi Toya
Toya
ああ……。 今頃は……英語の小テストをやっている頃だろうか……?
Shiraishi An
An
……なんかそわそわしてるね、冬弥
Azusawa Kohane
Kohane
……私は、ちょっとわかるかも。罪悪感っていうか…… 私だけ休んじゃって、学校のみんなに悪いなって
Shinonome Akito
Akito
そうか? べつに問題ねえだろ、1日くらい
Aoyagi Toya
Toya
いや、問題はあるだろう
Aoyagi Toya
Toya
特に彰人、白石。 ふたりは出なかった分、自習で取り戻せるのか?
Shinonome Akito
Akito
うっ……、それは……
Shiraishi An
An
ま、まあ、そのことはいいじゃん!
Aoyagi Toya
Toya
まったく……
Azusawa Kohane
Kohane
……でも、今日学校サボっちゃったこと、 お母さんとお父さんにはちゃんと話さなくちゃな
Azusawa Kohane
Kohane
話したあと、大変かもだけど……
Shinonome Akito
Akito
あー……お前の家は、だいぶ叱られそうだな
Azusawa Kohane
Kohane
……も、もう練習に参加しちゃだめ!って 言われちゃったらどうしよう……!?
Shiraishi An
An
……そ、その時は……私達も一緒に謝るよ!
Aoyagi Toya
Toya
ああ、そうだな。 もしもの時は、俺達も協力する
Aoyagi Toya
Toya
だが……小豆沢も、譲れないものがあってここに来たんだ
Aoyagi Toya
Toya
だから怒られはしても…… さっきのようにまっすぐ想いを伝えれば、 きっとわかってもらえるんじゃないだろうか
Azusawa Kohane
Kohane
……う、うん! 帰ったら、ちゃんと話してみる……!
Aoyagi Toya
Toya
それより……このあとはどうする?
Shinonome Akito
Akito
……今から学校戻っても、 授業には間に合わねえしな。やるならあっちで——
Shiraishi An
An
……それなら、 WEEKEND GARAGEに行くのはどう?
Azusawa Kohane
Kohane
え……いいの?
Shiraishi An
An
うん。おじさんにズバっと言ったこと、 ちょっと父さんにも話したいしね
Aoyagi Toya
Toya
……そういえば、最近はセカイで集まってばかりで、 謙さんのところにも顔を出せていなかったしな
Azusawa Kohane
Kohane
うん! それじゃあ……行こう!
数時間後
WEEKEND GARAGE
Shiraishi An
An
ただいま!
Shiraishi An
An
……って、あれ……?
Shiraishi An
An
……なんか……お店の中がスッキリして……?
Azusawa Kohane
Kohane
え?
Azusawa Kohane
Kohane
……本当だ。 これって……
Shiraishi An
An
あ……父さん! 外の看板、オープンのままだったけど……どうしたの?
杏の父
ん……ああ、しまった。 看板を戻し忘れてたか
杏の父
しかし……お前達、もう帰りか? 学校帰りにしちゃ少し早いんじゃないか
杏の父
さては——
Azusawa Kohane
Kohane
あ……えっと……
Azusawa Kohane
Kohane
……ごめんなさい! 実は……私がみんなに話して、 大河さんの見送りに行ってきたんです……!
杏の父
嬢ちゃんが?
Shiraishi An
An
こ、こはねは悪くないよ! 私がそれいいね!って乗ったんだし!
Shiraishi An
An
……ごめん。勝手に休んじゃって……
杏の父
まったく……学生の本分は学業だろうが
杏の父
しかし、やっちまったもんは仕方ない。 ……お前らにも、譲れないものがあるだろうしな
杏の父
ただ、こういうことはちゃんと話をとおしてからやれ。 理由があるなら、頭ごなしに反対したりはしない
Shiraishi An
An
うん……わかった
杏の父
言っておくが……お前達もだぞ?
Shiraishi An
An
あっと……それでさ、父さん。 お店の椅子と机、ずいぶん減ってる気がするんだけど……
杏の父
……ああ。店を整理しててな。 今、カップをまとめてたところだ
Azusawa Kohane
Kohane
整理、ですか……?
杏の父
そうだ。——この店を、一時休業することにした
Shiraishi An
An
えっ!? 休業!?
Shinonome Akito
Akito
な、なんでまた……
杏の父
お前達、RAD WEEKENDを超えるんだろ?
杏の父
なら、オレも手伝おう
Azusawa Kohane
Kohane
え……?
杏の父
お前達が覚悟を決めたんだ。 ならこっちも、本腰入れるのが筋ってもんだろう
杏の父
それが……これまで真実を隠してきたオレなりの、ケジメだ
Shiraishi An
An
あ……
杏の父
それにこれは、オレ自身のためでもある
杏の父
あの日凪が未来に託した夢が、この街でどう育っていくのか……。 それを——オレ自身も見たいんだ
杏の父
ってわけで、しばらくこの店は閉めることにしたわけだ
杏の父
まあ、モーニングとランチだけ営業するのも考えたが…… 中途半端は柄じゃねえ。しばらく全面休業だな
Shiraishi An
An
で、でも、母さんは……
杏の父
ちゃんと、母さんとも話しあってる
杏の父
……この件は、ずっと気にしてたからな、 『さっさとケジメをつけろ』と言ってくれた
杏の父
現役時代の貯えもある。 しばらく店閉めたとしても、食いっぱぐれることもねえ
杏の父
それにオレも、本業はプレイヤーだ。 人に教えるってことには慣れてねえ。 使える時間は、全部使う覚悟でいかねえとな
Shiraishi An
An
……本気なの、父さん……?
杏の父
オレはここで、オレが教えられるすべてを、お前達に叩き込む
杏の父
つまり——これから、オレの持つすべてを お前達に賭けさせてほしいんだ
Shiraishi An
An
…………!
杏の父
ただし……やるなら、歌も体づくりも容赦なしだ。 毎日、血反吐を吐くくらいやってもらう
杏の父
……どうだ、やるか?
Shinonome Akito
Akito
……謙さんが、オレ達に……
Shinonome Akito
Akito
そんなの——答えなんてひとつしかねえ
Aoyagi Toya
Toya
ああ。迷う余地はない
Azusawa Kohane
Kohane
うん!
Shiraishi An
An
——望むところだよ、父さん!
杏の父
決まりだな
杏の父
今日をもって、この店は休業だ
Azusawa Kohane
Kohane
(この場所で—— WEEKEND GARAGEから、また始まるんだ)
Azusawa Kohane
Kohane
(杏ちゃんのお父さんがあんなこと言うくらいだから、 練習、きっとすごく厳しいんだろうな)
Azusawa Kohane
Kohane
(もしかしたら、 怖くて、逃げ出したくなっちゃうくらい……)
Azusawa Kohane
Kohane
(でも……)
Azusawa Kohane
Kohane
(私……このお店に入って、本当にいいのかな……)
Azusawa Kohane
Kohane
…………
Azusawa Kohane
Kohane
ううん。 またあの歌を聴きに行くって、決めたんだから!
Azusawa Kohane
Kohane
だから……開けなくちゃ!!
Azusawa Kohane
Kohane
(今までも、怖いって思うことは、たくさんあった)
Azusawa Kohane
Kohane
(それでも……)
Azusawa Kohane
Kohane
(勇気を出して扉を開けてみたら、 見たことのない景色がたくさんあって——)
Azusawa Kohane
Kohane
(——その先にはいつも、嬉しいことがあった。 だから怖くても、前に進んでよかったって思えたんだ)
Azusawa Kohane
Kohane
(だから……大丈夫)
Azusawa Kohane
Kohane
(だって、ミクちゃん達が教えてくれた——)
ミク
——こはねは本当に、変わったね
ミク
こはねには——シンガーとしてのプライドが生まれてたんだよ
Azusawa Kohane
Kohane
(今はこの悔しさが……私を、支えてくれる)
Azusawa Kohane
Kohane
(私は——前に、進める!)
Azusawa Kohane
Kohane
(みんなと、超えるんだ。 すごく高い壁だけど、みんなとなら……!)
Shiraishi An
An
……こはね……
Azusawa Kohane
Kohane
——え? なに、杏ちゃん?
Shiraishi An
An
ううん。 ただ……すっごく気合い入ってるなって!
Azusawa Kohane
Kohane
……うん!
Shiraishi An
An
じゃあ、やろう! 私達で絶対、RAD WEEKENDを超えよう!
Azusawa Kohane
Kohane
(……こんなに、ドキドキすること……他にないだろうな)
Azusawa Kohane
Kohane
(あの日……この通りで迷った日、 このお店に来て、本当によかった)
Azusawa Kohane
Kohane
(……杏ちゃんの歌を聴いてドキドキした この場所から——もう一度、始めよう!)
Azusawa Kohane
Kohane
みんな、頑張ろうね!

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