Miku
♪——……
Miku
ふーっ
MEIKO
へえ。だいぶ上達したね、ミク
Miku
うん。まあ、練習したからね
MEIKO
もしかして、一歌との『秘密の特訓』の成果?
Miku
えっ、なんでその話知ってるの?
MEIKO
あはは、咲希が話してたからね。
一歌がみんなに内緒でミクと秘密の特訓してるらしい、って
一歌がみんなに内緒でミクと秘密の特訓してるらしい、って
Luka
あら、一歌の歌いかたが変わったと思ったら、
そういうことだったのね
そういうことだったのね
Luka
一歌の歌、前よりも力強くて、凛とした歌声になったわ
MEIKO
普通は、短期間であんなにガラっとは変わらないよね。
ねえミク、どんな特訓したの?
ねえミク、どんな特訓したの?
Miku
別に、私は何もしてないよ。
相談に乗っただけ
相談に乗っただけ
Miku
一歌自身が答えを見つけて、
自分の力で乗り越えたんだよ
自分の力で乗り越えたんだよ
Luka
そうなのね。
……ふふ。ミク、本当に一歌達の先輩らしくなってきたわね
……ふふ。ミク、本当に一歌達の先輩らしくなってきたわね
Miku
え? ほ、本当!?
Luka
本当よ。最初の頃は、先輩らしくなる練習をしてたけれど……
MEIKO
えっ、ミクそんなことしてたの?
Miku
ちょ……ルカ! それはもう言わないでってば!
Luka
ふふ、ごめんなさい
Luka
……でも、本当に先輩らしくなったわ。
一歌と出会った時とは比べ物にならないくらい
一歌と出会った時とは比べ物にならないくらい
Miku
そ、そうかな……
Miku
…………
MEIKO
あ、ごめんねミク。
ちょっとからかいすぎちゃったね
ちょっとからかいすぎちゃったね
Miku
あ、ううん。そうじゃないよ。
ただ、実感がわかなくて……
ただ、実感がわかなくて……
Miku
『先輩』って、ルカやメイコみたいな人のことを
言うんだと思ってたから
言うんだと思ってたから
MEIKO
私達?
Miku
うん、だってルカは優しくてしっかりしてるし、
メイコは頼りがいがあるし……
メイコは頼りがいがあるし……
Miku
私は、ふたりみたいな先輩になれてるのかな?
って……考えたりしてたんだ
って……考えたりしてたんだ
Luka
ミク、誰かみたいになんて思わなくていいのよ
Miku
え……?
Luka
だって、『先輩』にはいろんな形があるもの
Luka
誰かにとってはメイコが、また別の誰かにとっては私が、
そしてきっと、一歌にとってはミクが理想の先輩なんだと思うわ
そしてきっと、一歌にとってはミクが理想の先輩なんだと思うわ
Luka
先輩らしさに正解なんてないの。
ミクはミクらしく、先輩になっていけばいいのよ
ミクはミクらしく、先輩になっていけばいいのよ
MEIKO
うん、そうだね。
誰かのために一生懸命悩んで、解決する方法を考える……
誰かのために一生懸命悩んで、解決する方法を考える……
MEIKO
それだって、『先輩』の形のひとつなんじゃないかな
Miku
ルカ、メイコ……
Luka
先輩らしくなったわね、ミク
MEIKO
これからも頑張ってね、先輩
Miku
……うん。ありがとう、ふたりとも
MEIKO
——あ。ミク、どうやら後輩が来たみたいだよ
Miku
え?
Ichika
あ、えっと、ミク……話し中だったかな
Luka
ふふ、ミクに用事があるみたいね
MEIKO
それじゃあ、私達は席を外しましょうか
Ichika
話し中だったら、また終わったらで——
Luka
いいえ、今終わったところよ
MEIKO
そうそう。
私達は楽器の調整があるから、少し外すね
私達は楽器の調整があるから、少し外すね
Miku
(ふたりとも、気をつかってくれたんだ)
Miku
(……やっぱり、まだまだふたりには敵わないな)
Ichika
えっと……
Miku
いらっしゃい、一歌。
今日はひとり?
今日はひとり?
Ichika
うん。
ミクに話したいことがあって……
ミクに話したいことがあって……
Miku
私に?
Ichika
うん。
このあいだは相談に乗ってくれてありがとう
このあいだは相談に乗ってくれてありがとう
Miku
ふふ、どういたしまして。
その様子だと、うまくいってるみたいだね
その様子だと、うまくいってるみたいだね
Ichika
ミクのおかげでね。
……だから、練習の成果を見てほしい
……だから、練習の成果を見てほしい
Miku
うん、いいよ。
それじゃあ、演奏する準備して——
それじゃあ、演奏する準備して——
Ichika
あ、ミク。
今日はこっちの世界に来てほしいんだけど……いいかな
今日はこっちの世界に来てほしいんだけど……いいかな
Miku
そっちの世界?
別にいいけど……
別にいいけど……
Ichika
ありがとう
Ichika
ミクに見てもらいたいものがあるんだ