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Chapter 2: ? (edit)
追憶、あの日の暗闇へ (Tsuioku, Ano Hi no Kurayami e)
追憶、あの日の暗闇へ (Tsuioku, Ano Hi no Kurayami e)
Midnight
Kanade's Room
Kanade's Room
Kanade
『——それで、
2年前とはずいぶん変わったっていう話をしてたんだ』
2年前とはずいぶん変わったっていう話をしてたんだ』
Mizuki
『へー!
お手伝いさんとそんな話したんだ!』
お手伝いさんとそんな話したんだ!』
Ena
『たしかに、一緒に作り始めてからもう結構経ったし、
いろいろ変わったよね』
いろいろ変わったよね』
Ena
『セカイに行くようになってからは特に
いろんなことがガラっと変わったし』
いろんなことがガラっと変わったし』
Mafuyu
『……変わった、か』
Kanade
『——雪は、どう思う?』
Mafuyu
『……たしかに2年前とは違うと思う』
Kanade
『そっか』
Kanade
『変わったっていえば……わたし達の話しかたも変わったよね。
最初の頃は、雪とも敬語でしゃべってたし』
最初の頃は、雪とも敬語でしゃべってたし』
Mafuyu
『ああ……そうだね』
Ena
『最初って……まだKと雪のふたりでやってた時のこと?』
Kanade
『うん、そう』
Mizuki
『始めはKと雪がふたりで
活動してたんだよね』
活動してたんだよね』
Mizuki
『なんか4人でやるのが当たり前になってるから、
ふたりだけでやってた頃って、
あんまりイメージできないな』
ふたりだけでやってた頃って、
あんまりイメージできないな』
Ena
『たしかに、それはあるかも……』
Mizuki
『ねえねえ。最初の頃のニーゴって、
どんな感じだったの?』
どんな感じだったの?』
Mizuki
『Kと雪がふたりで作ってた頃のこと、なんとなくしか
聞いたことないし、ちゃんと聞いてみたいな~』
聞いたことないし、ちゃんと聞いてみたいな~』
Kanade
『最初の頃か……』
???
『あら。なんだか面白そうな話をしているじゃない』
Kanade
『……? この声……』
Ena
『えっ!? ミクと……それに、ルカも!?
なんでパソコンのモニターに……?』
なんでパソコンのモニターに……?』
Luka
『ふふっ、突然お邪魔しちゃってごめんなさいね。
みんなが最近、なかなかセカイに来ないから、
退屈していたの』
みんなが最近、なかなかセカイに来ないから、
退屈していたの』
Mizuki
『あはは、そっか。
ミクも退屈してたの?』
ミクも退屈してたの?』
Miku
『……わたしは、ルカに無理矢理連れてこられた』
Mafuyu
『そうなんだ……』
Luka
『ところで、今の話、私もすごく興味があるわ』
Luka
『よかったら私達にも、奏達が一緒に曲を作り始めた時のことを
聞かせてもらえないかしら?』
聞かせてもらえないかしら?』
Kanade
『うん、わたしはいいよ。
……雪、話してもいい?』
……雪、話してもいい?』
Mafuyu
『うん。……私も、思い出してみる』
Kanade
『……2年前の今頃、わたしのお父さんが倒れて——』
Kanade
『わたしは、お父さんみたいに誰かを救えるような曲を
作らなくちゃいけないって思うようになった』
作らなくちゃいけないって思うようになった』
Kanade
『それから毎日曲を作るようになって——』
Middle Schooler Kanade
……だめ
Middle Schooler Kanade
これじゃ全然だめ……。
こんな音じゃ、誰も救えない……!
こんな音じゃ、誰も救えない……!
Middle Schooler Kanade
もっとベースの音を強くして……。
ううん、これだけじゃ足りない……
ううん、これだけじゃ足りない……
Middle Schooler Kanade
もっと聴いた人の心を救いあげる音を——
Middle Schooler Kanade
……うるさい!
一体何の……
一体何の……
Middle Schooler Kanade
……? 動画サイトからの通知?
Middle Schooler Kanade
(ああ……曲についたコメントも曲作りのヒントに
なるかもって思って、昨日新曲を上げた時、
通知を入れっぱなしにしてたんだ)
なるかもって思って、昨日新曲を上げた時、
通知を入れっぱなしにしてたんだ)
Middle Schooler Kanade
(……どんなコメントがきてるんだろう)
Comment
『これ、本当にひとりで作ってるの?』
Comment
『毎回クオリティがヤバくて笑うしかない。
作者何者なんだ』
作者何者なんだ』
Middle Schooler Kanade
あ……
Comment
『こんなに音楽に共感できたのは初めてです。
救われた気持ちになりました』
救われた気持ちになりました』
Middle Schooler Kanade
……救われた……
Middle Schooler Kanade
(……よかった。
この人だけでも、救えたんだ……)
この人だけでも、救えたんだ……)
Middle Schooler Kanade
(……でも……まだ、足りない)
Middle Schooler Kanade
(もっと、作り続けなきゃ。
作って、作って、作り続けて……。
もっとたくさんの人を、救わなきゃ)
作って、作って、作り続けて……。
もっとたくさんの人を、救わなきゃ)
Middle Schooler Kanade
そうしなきゃ……
Middle Schooler Kanade
わたしに、生きてる資格なんてないんだから——