< BREAK DOWN THE WALL | Story
Chapter 10: Carve Our Name
Character appearances:
ストリートのセカイ
広場
Kohane
えっと、集合場所はここだったよね。 みんなは……
An
おーいこはね～！ こっちこっち！
Kohane
あ、杏ちゃん！ みんなも！
An
おかえり、こはね！ そっちはどうだった？
Kohane
——あのね、ひとつわかったことがあって……！ 少し、聞いてもらってもいいかな？
Akito
……『世界中の音楽とつながって、世界を獲るための場所』か
Toya
なるほど……。 それは気づかなかったな
Kohane
うん、私もメイコさんに教えてもらうまで 全然わからなかったけど……
Kohane
でもそうやって考えると、 この場所がこんな形になってるのも、よくわかるなって
Akito
……たしかにな
Akito
そう考えると、思ってた以上にスケールのデカい場所だな。 悪くねえ
An
…………
Akito
ん？ 杏、ミク、どうしたんだ
An
……あのね
An
実は私——さっき凪さんに会ったんだ
Kohane
……え！？ ど、どういうこと！？
An
多分だけど……私の想いが影響して、会えたんだと思う
An
見た目も、私が子供の頃に見た凪さんのままだったしね
Toya
……想いはそこまで反映されるのか。 セカイとは、不思議なものだな……
An
それでね、その凪さんが—— あそこの壁を見て、寂しそうにしてたの
Akito
あそこ……。 ああ、最初に見たあの妙な空白がある壁か
An
うん。 なんでなんだろうって思って、 みんなが来るまでミクと話してたんだけど……
An
——今の話を聞いて、理由がわかった気がするんだ
Kohane
え？
An
この広場が、こはねの言うとおり、 世界中の音楽とつながれる場所だとしたら……
An
その真ん中の広場にある たくさんのイベントのグラフィティにも、きっと意味があって
Kohane
意味……
An
うん。あの大きな壁の真ん中が空いているのは、多分——
An
世界を獲ったチームのための場所だから、なんじゃないかなって
Akito
……なるほどな
Akito
世界中の音楽があつまる場所—— その中心に、自分達のイベントの名前を刻む
Akito
『世界を獲る』……か
ミク
（そう考えると——）
An
——セカイでくらい、いいじゃん！！
An
ちょっとは私のこと待っててよ！！
An
え……
An
立ち止まってくれた…………？
ミク
（あれは、凪さんがその夢を叶える前に—— 広場の壁に名前を刻む前に世界から去ってしまったから、 ……行けなかったのかもね）
ミク
（そして、その遺志を継ぐのが——）
An
私達が、やるんだ
An
あの壁に——世界のど真ん中に 名前を刻めるようなイベントを！！
Akito
そのためにも……まずは、壁をぶち壊さねえとな
Kohane
うん
Kohane
やろう——みんな！！
冬弥・杏・彰人
『ああ！』 『うん！』 『おう！』
Akito
……そうと決まれば、 早速戻って練習しねえとな
Toya
ああ。 今なら何時間でも歌えそうだ
An
お、言うねえ冬弥！ よーし！ 今日も夜まで頑張るぞ～！！
ルカ
……ん？
ルカ
ねえ、あれ見て！ 広場の脇に——
MEIKO
あれは……植物の芽かしら
リン
本当だ！ ちっちゃくてかわいい～！
KAITO
あの芽も、みんなの想いでできたのかな？
レン
だとしたら……どんな想いでできたんだろ？
ミク
さあ、わからないな
ミク
でも——
ミク
どんな風に育つか、楽しみだな