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Chapter 5: The Pink-Colored Girl in the Classroom
教室、桜色の彼女は (? (edit))
教室、桜色の彼女は (? (edit))
ルカ
……ここは一体……
ルカ
(屋上で想いの欠片を見つけたところまでは
覚えているけれど……)
覚えているけれど……)
ルカ
(でも、触れる前に急に光りだした気がするわ)
ルカ
(あれはもしかして……、
普通の想いの欠片とは少し違うのかしら)
普通の想いの欠片とは少し違うのかしら)
ルカ
(……わからないけれど、
少し辺りを調べてみましょう)
少し辺りを調べてみましょう)
ルカ
…………
咲希
んん~……ないな~……
MEIKO
そうだね。
やっぱり、このセカイにはないのかな?
やっぱり、このセカイにはないのかな?
リン
絶対絶対あるよ!
だってここ、学校なんだよ!
だってここ、学校なんだよ!
穂波
うーん、木は結構あるんだけど……
志歩
北側にもなかったよ
ミク
……やっぱりそうだよね。
前に探したこともあったんだけど——
前に探したこともあったんだけど——
ルカ
ええ。
でもその時も、見つからなかったのよね
でもその時も、見つからなかったのよね
ルカ
やっぱり——ここに桜の木はないんじゃないかしら?
咲希
えーん!
どうして学校なのに桜がないんだろう~!
どうして学校なのに桜がないんだろう~!
レン
仕方ないだろ。ないものはないんだから
一歌
でも……ここに桜がないのは少し寂しい気もするね。
みんなで見てみたかったな……
みんなで見てみたかったな……
KAITO
……うん。俺も……
MEIKO
ここで桜が見られないのは残念だけど……。
咲希達の世界にはあるわけだし、
そっちのを見させてもらえば十分じゃない?
咲希達の世界にはあるわけだし、
そっちのを見させてもらえば十分じゃない?
咲希
うん……そうだね
穂波
残念だけど、ないなら仕方ないもんね
ルカ
……?
ルカ
みんな、どうしたの?
落ちこむ気持ちはわかるけれど……
落ちこむ気持ちはわかるけれど……
レン
ああ、桜が見たければ一歌達のスマホから見ればいいんだし、
そこまでがっかりすることか?
そこまでがっかりすることか?
咲希
あ、そっか。
桜を探そうーってなる前の話、
レンくん達は聞いてなかったよね
桜を探そうーってなる前の話、
レンくん達は聞いてなかったよね
ルカ
え?
何を話していたの?
何を話していたの?
一歌
最初は普通にこっちでお花見ができたらいいなって
話をしてたんだけど……
話をしてたんだけど……
ミク
あ……!
ちょ、ちょっと、一歌……!
ちょ、ちょっと、一歌……!
一歌
ミクが、『桜ってルカみたいだよね』っていう
話をしてくれたんだ
話をしてくれたんだ
ルカ
——あら。
ミクってば、そんな嬉しいこと言ってくれたのね
ミクってば、そんな嬉しいこと言ってくれたのね
ミク
な、なんとなく思っただけだから……
MEIKO
ふふっ。でもそれを聞いて私達も、たしかにって思ったんだよ。
一本だけでもすごく綺麗で、落ち着いてて、
見ていて飽きないでしょ?
一本だけでもすごく綺麗で、落ち着いてて、
見ていて飽きないでしょ?
KAITO
……たしかにそう言われると……
レン
なるほど。
それもあって一生懸命探してたのか
それもあって一生懸命探してたのか
一歌
うん。
それに、ルカに実際の桜を見てもらいたいなって思って
それに、ルカに実際の桜を見てもらいたいなって思って
穂波
はい。みんなで、ルカさんが桜を見上げてたら、
すごく綺麗だろうなって話してたんです
すごく綺麗だろうなって話してたんです
志歩
うん。きっと絵になるだろうしね
ルカ
あら、みんなありがとう
一歌
だけどこのセカイにはなかったから……。
今度、私達のところで、みんなでお花見しようか
今度、私達のところで、みんなでお花見しようか
穂波
そうだね。向こうなら桜も見頃だし、
きっとルカさんにも綺麗な桜を見てもらえると思うな
きっとルカさんにも綺麗な桜を見てもらえると思うな
咲希
うん……。
でも、こっちでも桜、見つけたかったなぁ
でも、こっちでも桜、見つけたかったなぁ
志歩
咲希、まだ言ってるの?
お花見はできるんだからいいでしょ
お花見はできるんだからいいでしょ
咲希
でもしほちゃんだって、大好きな人に
大好きなバンドをすすめるなら、
一緒にライブハウスで聴きたいって思うでしょ?
大好きなバンドをすすめるなら、
一緒にライブハウスで聴きたいって思うでしょ?
志歩
なんか妙な例えだけど……。
まあ……たしかにそうかもね
まあ……たしかにそうかもね
咲希
でしょ? だからアタシも
『同じセカイで見たい』って思ったんだけど……
『同じセカイで見たい』って思ったんだけど……
ルカ
…………
咲希
……っていっても、桜が生えてくるわけじゃないもんね。
よーしじゃあ、代わりに今日は、
春らしい曲でセッションしないっ?
よーしじゃあ、代わりに今日は、
春らしい曲でセッションしないっ?
リン
あ、いいねっ! サッキーナイスアイディアっ☆
ミク
……うん!
じゃあ、やろう!
じゃあ、やろう!
MEIKO
よーし、それじゃいくよ!
みんな準備はいい?
みんな準備はいい?
一歌
それじゃあ、そろそろ私達は帰るね
咲希
お花見する日が決まったら、連絡するねー!
ミク
うん、ありがとう!
またね!
またね!
リン
待ってるよ~っ♪
ルカ
(桜、か……。
今まであまり気にしてこなかったけれど……)
今まであまり気にしてこなかったけれど……)
咲希
でしょ? だからアタシも
『同じセカイで見たい』って思ったんだけど……
『同じセカイで見たい』って思ったんだけど……
ルカ
(——あの子達の想いに応えるためにも、
できるだけのことはしたいわ)
できるだけのことはしたいわ)
ルカ
(もうちょっとだけ、探してみましょう)
ルカ
……見当たらないわね
ルカ
校門にも校舎の裏にも、それらしい木はないし、
あとは……
あとは……
ルカ
(……ここからなら、遠くまで見渡せるから、
もしかしたら気づくかもしれないと思ったけれど……)
もしかしたら気づくかもしれないと思ったけれど……)
ルカ
(やっぱりこのセカイに桜はないみたいね)
ルカ
咲希達に喜んでもらえたらって思ったけれど……、
仕方ないわね
仕方ないわね
ルカ
……? あそこにあるのは……
ルカ
想いの欠片……?
あ……!
あ……!
ルカ
…………
ルカ
(……どうやらここは、ずっと原っぱが続いているようね)
ルカ
(唯一あるのは……あの木みたいだわ)
ルカ
(桜の花びらが散っているようだけれど……
あれは桜ではないみたい)
あれは桜ではないみたい)
ルカ
(でも、もしここが想いの欠片から
生まれたセカイなのだとしたら……)
生まれたセカイなのだとしたら……)
ルカ
(——近づいてみましょう)