Wonder Stage
Emu
大きいロボットだ~! あたしの腰くらいまであるよ~!
Tsukasa
お、おい! またロボットじゃないか! これがお前の言っていたメンバーだと言うのか?
Rui
ああ、そうさ。 僕がショーに使っていた自律型と違って、 これは遠隔操作型でね
Tsukasa
これもお前が作ったものなのか?
Rui
ああ、そうだよ
Rui
1回の充電で3日はフルの稼働に耐えられるし、 ショーに適した複雑な動きもできるように設計してあるんだ。 いやあ、我ながら素晴らしいものを作ってしまったなあ
Tsukasa
ええい、自画自賛などいい! それより、操縦してる人間はどこにいるんだ?
???
……………………
Rui
ああ。ここから少し離れたところにいるよ。 大丈夫。彼女のコントロール技術には、僕が太鼓判を押すよ
Tsukasa
はあ……。あのなあ類。 オレがほしいのはロボットじゃない。ショーをやれる人間だ
ロボット
『……なに。なんか文句あんの?』
Emu
わわっ! しゃべった~!
Rui
うん。会話もできるし、コントローラーには ディスプレイがついているからこっちの様子もわかるよ
Emu
あたし、鳳えむ! よろしくねロボちゃん♪
ロボット
『……鳳? それって、もしかして……』
Emu
ロボちゃん、お名前はあるの? 教えて!
ロボット
『……名前? え、ええっと……』
Rui
そういえば、ロボット自体に名前はつけていなかったね。 この際、君の名前を教えたらどうだい?
ロボット
『……草薙寧々』
Emu
そっか! じゃあ、この子はネネロボちゃんだね♪
ネネロボ
『ネネロボ……ま、まあ、その名前でいいけど』
Tsukasa
会話できるなら、その草薙寧々とやらに一言言わせてもらおう!
Tsukasa
いいか? オレ達は、歌もダンスもやる。 オレというスターにふさわしい、ハイクオリティでな!
Tsukasa
そんなロボットじゃ、ダンスもままならんだろう。 残念だがメンバーには……
ネネロボ
『……へーえ。自称スターのくせに、見る目ないんじゃないの?』
Tsukasa
な、なんだと!?
ネネロボ
『ロボットじゃ踊れないなんて、誰が決めたんだか。 なんなら、これで踊ろっか?』
Rui
ああ、踊って見せるのはいいね。機能と技を見てもらおう! えむくん、音楽をかけてくれるかい?
Emu
うんっ☆ ネネロボちゃんのショー、スタート~っ!
Tsukasa
ふん、やってみろ。 いくら類の作ったロボットとはいえ……
Tsukasa
タ……タップダンスだとー!? あの短い足で!?
Rui
ふふっ、いいねえ。とてもいいダンスだ
Emu
うわー! 足がすっごいスピードでバタバタしてるよ~!
Tsukasa
からの……な、滑らかなジャズダンス……! ウソだろ……。あんな頭身でできる動きじゃない……!
Emu
すごいすご~い! ネネロボちゃん、ダンスとっても上手だね~!
ネネロボ
『……どう?』
Tsukasa
い……いや、まだだ! ミュージカルショーは歌こそが最も重要! ロクに歌えんようなヤツは、ステージにあげられん!
ネネロボ
『ふーん。歌えばいいの?』
Tsukasa
へ?
ネネロボ
『~~~~♪』
Emu
……わ、わわわ~! すっごくキレイな歌! 声もキレイ~!
Tsukasa
そんなバカな……歌まで……! はっ。録音したプロの歌声を流してるんじゃないだろうな!
Emu
でも、今の歌、ネネロボちゃんの声と一緒だったよ?
Tsukasa
うっ!
ネネロボ
『それで? 次は何をすればいいわけ?』
Tsukasa
ううっ……!
Rui
どうだい司くん。 寧々は、メンバーの条件を満たしてるだろう?
Tsukasa
ま、まあ、オレのショーに出るレベルには到達しているが……
Tsukasa
こいつ、下手したらオレよりも目立ってしまうのでは!? い、いやまさか……オレは未来のスターだぞ
ネネロボ
『自分が目立てなくなるかもって不安なら、 別に入れてくれなくてもいいけど?』
Tsukasa
こ、こいつ聞こえて……!? オレは世界一のスターになる男だ! そんな不安、あるわけないだろう!
ネネロボ
『ふ~ん?』
Tsukasa
なんだその何か言いたげな顔は!!
ネネロボ
『気づいた? さすが未来のスター』
Tsukasa
おい、なぜこいつはこんなに好戦的なんだ? オレの才能に嫉妬してのことか?
Rui
あはは、ふたりの相性もバッチリだねえ
Emu
司くん司くんっ! あたしネネロボちゃんとショーに出たい!
Emu
こんなに上手なんだよ? きっと、ショーが大好きで、たくさん練習したんだよね? すごいよっ!!
???
…………
Tsukasa
くっ……たしかに、歌と踊りの出来は認めるしかない……
Emu
ええっ!? じゃあ? じゃあ?
Tsukasa
わかったわかった! あいつが4人目のメンバーだ
Emu
やったー! よろしくねっ☆ ネネロボちゃんと寧々ちゃんっ!
ネネロボ
『……ま、よろしくね』
Tsukasa
寛大なオレに感謝するんだな
ネネロボ
『アンタこそ、足引っ張ったらビームの的にするから』
Tsukasa
ビーム!? そいつ、ビームがついてるのか!?
Emu
みんな、がんばろうね~っ☆
Rui
寧々。ふたりはもういないよ。出てきたらどうだい
Nene
……本当にロボットをメンバーに入れるなんて、 どうかしてるんじゃないの?
Rui
いやあ、まったくだね
Nene
……急にロボットを持ってきて『一緒にショーをやらないか』 なんて言ってくる類も、大概どうかしてるけどね……
Nene
わたし、ショーはもう……
Rui
それじゃあ、どうしてここに来たんだい?
Nene
……ほんと、性格悪い
Rui
フフ、そこはお互い様じゃないかな?
Rui
まあ、家でゲームばかりも飽きるかと思ってね。 新しいゲームだと思って、楽しんでほしいな
Nene
…………