Chapter 16: The Third
3人目 (? (edit))
3人目 (? (edit))
Translator(s):
Mei
Source(s):
Kamiyama High School Courtyard
Toya
……俺は彰人ともう一度歌う気はない。 そのことに、特に理由は……ない
Kohane
そんな……青柳くん、東雲くんと歌ってる時、 すっごく楽しそうなのに……
Toya
……楽しそう?
Kohane
え?
Toya
…………そうなのか。 楽しそう、なのか、俺は
An
何それ。自覚なかったの?
An
……ま、正直、あんたって表情筋動かないから 考えてることまったく読めないけど……
An
彰人とやってる時だけはよくわかるよ。 すっごく楽しんでるって
Toya
………………
Toya
……悪いが、用事がある
An
ちょっと! 用があるなんてさっきは……
Kohane
待って青柳くん!
Toya
………………
Kohane
私……一度は、みんなみたいに真剣になれてないから もう、イベントに出ちゃダメなのかなって思ったんだけど……
Kohane
でも、誰に何を言われても、 私自身がやりたいって思ったの! もう1回、杏ちゃんと一緒に歌いたいって思って……!
Kohane
青柳くんは……本当はどうしたいの……?
Toya
……………………
Kohane
あ……
Kohane
……私、やっぱり、余計なことしちゃった……
An
そうでもないんじゃない? こはねのおかげで、あいつのことちょっとわかったし
Kohane
え?
An
どっかの誰かさんと一緒で、 けっこう頑固なタイプっぽいってこと
Kohane
……誰かさん?
An
どういう事情があるかはわからないけどさ。 もうちょっと自分に素直になればいいのにね
An
それで、どうする? あきらめる?
Kohane
………………
Kohane
……もう少しだけ、がんばりたい
An
そう言うと思った
An
じゃあ、うちで作戦会議しよっか。 私も最後まで、付き合うからさ!
Kohane
うん!
翌日
ライブハウス
Akito
……ありがとうございました
新人スタッフ
彰人くん、最近ソロばっかりですね。 冬弥くん体調でも崩したんですかね
ベテランスタッフ
……まあ、本気でやってるヤツらほど、 “そういう時期”が来るんだよなぁ
新人スタッフ
え?
ベテランスタッフ
それより、明日のイベントの確認できたか?
Akito
………………
神山通り
Akito
………………クソ
Akito
気にしてる場合かよ……。 『RAD WEEKEND』を超えるなら、 止まってなんていられねえだろ……
Akito
次のイベントは……明後日か。 ……曲、決めねえと……
Akito
……ん? 『Untitled』? こんな曲あったか?
Akito
な、なんだ!?
ストリートのセカイ
Akito
ここは……? どうなってるんだ? いつの間に知らない場所に……
レン
あー! やっと『Untitled』に気づいてくれたんだね!
Akito
……か、鏡音レン……!? バーチャル・シンガーの……!?
レン
あれ? もうひとりはいないの?
レン
まあ、まずは3人目だね! ミクとメイコにも教えてあげなくちゃ!
Akito
お、おい! なんなんだよここ! 引っ張るな!
crase cafe
レン
ミク! メイコ! やっと彰人が来てくれたよ!
Akito
オレの名前……! どうして!?
ミク
いらっしゃい。 気づいてくれたんだ
MEIKO
あら、ようやく来てくれたのね
Akito
……初音ミクまで? 疲れてるのか? 変な幻覚が見えて……
レン
もー、幻覚なんかじゃないってば。 キミはBAD DOGSの彰人でしょ?
レン
それで冬弥っていう相棒がいて……
Akito
アイツは相棒じゃねえ!
レン
わっ!
Akito
あ……わ、悪い……
Akito
……クソ。お前らがなんなのかは知らねえけど…… 冬弥とオレはもう関係ねえよ
レン
……ねえミク、どういうことかな?
ミク
仲間と何かあったみたいだね
MEIKO
とりあえず、座ってたら? なんだかとっても疲れてるみたいだし
Akito
……誰がこんなわけわかんねえところで……
MEIKO
じゃあ、コーヒー1杯だけでもどうかしら。 美味しいチーズケーキもあるわよ
MEIKO
たまには、誰かに話したほうが いいこともあるわよ
Akito
…………
WEEKEND GARAGE
An
あれ、もうこんな時間? そろそろバー営業の準備しなきゃ
Kohane
あっ、そうだよね。 それじゃ、私は……
杏の父
ん……? 悪いが、夜の営業はまだ……
こはね・杏
『あ!』
杏の父
よう、冬弥か。 いつものコーヒーでいいか?
Toya
……いえ、結構です
Toya
今日は……謙さんに、最後の挨拶をしに来ました