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KAITO
——背景よし、照明も……よし!
類
司くん。リハーサル、いつでも始められるよ
司
わかった!
司
寧々、えむ! そっちも大丈夫かー?
えむ
うん、いいよー!
司
では、『ソメちゃんと不思議な春休み』——
リハーサル、スタートだ!
リハーサル、スタートだ!
少女
『——……やだ。やだよ、お母さん!
なんでよそのお家に行かなくちゃいけないの?』
なんでよそのお家に行かなくちゃいけないの?』
少女
『やだやだ! お母さんとお父さんと
離れなきゃいけないなら、弟なんていらない!
お姉ちゃんになんかなりたくないよ!』
離れなきゃいけないなら、弟なんていらない!
お姉ちゃんになんかなりたくないよ!』
KAITO
(——さすが寧々ちゃんだね)
KAITO
(ステージ上には寧々ちゃんひとりだけど、
ちゃんとそこに両親がいるように感じられる)
ちゃんとそこに両親がいるように感じられる)
???
『わーっはっはっはっ!
足元からどっかーんとこんにちはー!』
足元からどっかーんとこんにちはー!』
少女
『きゃああああっ! お、おばけええええ!』
ソメちゃん
『え? おばけじゃないよ!
ソメちゃんだよー!』
ソメちゃんだよー!』
少女
『ソ……ソメちゃん?
あなた、この村の子?』
あなた、この村の子?』
ソメちゃん
『えーっと……。
ここでずっと暮らしてるから、たぶんそうかな♪』
ここでずっと暮らしてるから、たぶんそうかな♪』
少女
『たぶんって……』
KAITO
(通し稽古はまだそんなにしてないって聞いたけど、
ここまではなんの問題もなさそうだね)
ここまではなんの問題もなさそうだね)
MEIKO
もー、ルカがのんびりしてるから
リハーサル始まっちゃってるじゃないの
リハーサル始まっちゃってるじゃないの
ルカ
……だって、夢の中の羊さんが
わたしに行かないでって言うんだもの
わたしに行かないでって言うんだもの
KAITO
いらっしゃい、ふたりとも。
来るって言ってたのになかなか来ないから、
どうしたのかと思ったよ
来るって言ってたのになかなか来ないから、
どうしたのかと思ったよ
MEIKO
見てのとおり、ルカの寝坊よ
MEIKO
あら、ミク達は?
KAITO
ショーの手伝いで、舞台裏にいるよ。
あ、ほら——
あ、ほら——
ソメちゃん
『あたしこんなことできちゃうんだよ♪
見ててね! えーいっ☆』
見ててね! えーいっ☆』
MEIKO
なるほど。桜の花を降らせる役なのね
KAITO
うん。また雪かごが使えるって言って、
ぬいぐるみ達と一緒に手伝ってるよ
ぬいぐるみ達と一緒に手伝ってるよ
ルカ
ふふ。ひらひらひら~って、とってもきれいねえ。
……見てたら、なんだか眠く……
……見てたら、なんだか眠く……
MEIKO
えー! おもしろくなるのはここからなのよ!?
少女
『おじさん……っ! よかった、ここにいたんだね!』
おじさん
『なっ! どうしてここに!?
夜、森に入っちゃダメだろう!』
夜、森に入っちゃダメだろう!』
少女
『……だって、おじさんが心配だったんだもん』
少女
『一緒に……一緒に、おうち帰ろう?』
おじさん
『おうち……。
そうか……家と言ってくれるんだな』
そうか……家と言ってくれるんだな』
おじさん
『ああ、一緒に帰ろう。
帰って、おばさんにただいまを言わないとな』
帰って、おばさんにただいまを言わないとな』
少女
『うん……!』
村のおじさん
『あ、いた! あそこにいたぞ!
おーい、大丈夫か!』
おーい、大丈夫か!』
ルカ
ぐすん……。よかったわねえ。
……めーちゃん、ハンカチ持ってない?
……めーちゃん、ハンカチ持ってない?
MEIKO
……ぐす。持ってるけど、使ってるから貸せないわ
KAITO
僕のでよかったら使って
ルカ
本当? カイトくん、ありがとう
少女
『ソメちゃん!
昨日はおじさんを見つけてくれてありがとう!』
昨日はおじさんを見つけてくれてありがとう!』
ソメちゃん
『…………うん。
あたしも、力になれてよかった』
あたしも、力になれてよかった』
少女
『ソメちゃん……?
なんだか、元気ないね』
なんだか、元気ないね』
少女
『……あ! 桜の花が、散っちゃってる!』
少女
『もしかして、昨日わたし達を助ける時に……!』
ソメちゃん
『……ううん。そうじゃないよ。
本当はね、もっと前にお休みしてるはずだったんだ』
本当はね、もっと前にお休みしてるはずだったんだ』
ソメちゃん
『でも、あなたとお別れしたくなくて。
えへへ……ちょっと、がんばってたんだ』
えへへ……ちょっと、がんばってたんだ』
少女
『ソメちゃん……』
MEIKO & Luka
『ソメちゃーーーーん!!』
KAITO
しーっ! 気持ちはわかるけど、落ち着いて!
ソメちゃん
『大丈夫。また来年、きれいなお花を咲かせるために
しばらく眠るだけだから』
しばらく眠るだけだから』
ソメちゃん
『ねえ、来年もまた会いに来てくれる?
もしまた来てくれるなら、
今度もなが~~~く咲いていられるようにがんばっちゃうよ』
もしまた来てくれるなら、
今度もなが~~~く咲いていられるようにがんばっちゃうよ』
少女
『うん、絶対会いに来るよ。
わたしの弟を紹介してあげるね』
わたしの弟を紹介してあげるね』
ソメちゃん
『あれれ~?
お姉ちゃんにはなりたくないんじゃなかった?』
お姉ちゃんにはなりたくないんじゃなかった?』
少女
『……ううん。わたし、ソメちゃんみたいな
優しいお姉ちゃんになるよ。約束する』
優しいお姉ちゃんになるよ。約束する』
MEIKO
このシーン、カイトの
アドバイスがきっかけで生まれたのよね
アドバイスがきっかけで生まれたのよね
KAITO
うん
KAITO
実は、ちょっとだけ僕の願望を入れてしまったんだ
ルカ
願望?
KAITO
——司くん達には、自分達で壁を乗り越えていく力が
もう十分あると思うけど……
もう十分あると思うけど……
KAITO
でも、そんな彼等を見守るだけじゃなくて、
もっと何かしてあげられたらいいなって
もっと何かしてあげられたらいいなって
KAITO
たとえば、背中を押してあげるだけじゃなくて、
壁の上に引っ張り上げたりね
壁の上に引っ張り上げたりね
MEIKO
いいわね、それ!
めちゃくちゃいい!
めちゃくちゃいい!
ルカ
ええ。わたしもそう思うわ~。
あの子達の想いがどんな風に育っていくのか楽しみだもの
あの子達の想いがどんな風に育っていくのか楽しみだもの
KAITO
ふたりもそう思ってくれて、嬉しいよ
KAITO
(もし、司くん達の想いが成長して、
あの場所が“本当のセカイ”になれたら、
どんな歌が生まれるんだろう?)
あの場所が“本当のセカイ”になれたら、
どんな歌が生まれるんだろう?)
KAITO
(ふふ。これからが楽しみだな)