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< POP IN MY HEART!! | Story
Chapter 8: ? (edit)
夢も、現実も (Yume mo, Genjitsu mo)
夢も、現実も (Yume mo, Genjitsu mo)
Emu
おじいちゃん、ライリーさんに
そんなこと言ってたんだ……!
そんなこと言ってたんだ……!
Rui
フフ。
えむくんのおじいさんらしいエピソードだね
えむくんのおじいさんらしいエピソードだね
Nene
うん。一緒に大きな夢を見よう……か
Tsukasa
なんとも頼りになる言葉だな
Riley
——楽之介は、何よりも、
夢を見ることを大事にしていたんだ
夢を見ることを大事にしていたんだ
Riley
だから彼は、夢を見ることを忘れていた僕に、
大事な夢を思い出させてくれた
大事な夢を思い出させてくれた
Riley
楽之介と一緒に映画を作った、あの体験があったからこそ、
僕はここまでやってこられたと思っている
僕はここまでやってこられたと思っている
Riley
『本当に夢を見る者しか、
誰かに夢を与えることはできない』
誰かに夢を与えることはできない』
Riley
楽之介から教えてもらった
この大切な言葉を伝えたかったから、
今日はここに来てもらったんだよ
この大切な言葉を伝えたかったから、
今日はここに来てもらったんだよ
Emu
夢を見る者しか……
Riley
ん? どうしたんだい、えむさん
Emu
……おじいちゃんの言うことも、
ライリーさんの伝えたいこともすっごくわかるんです
ライリーさんの伝えたいこともすっごくわかるんです
Emu
でも、きっとおじいちゃんは……
ライリーさんが夢をなくしちゃいそうになったから、
そう言ったんだと思うんです
ライリーさんが夢をなくしちゃいそうになったから、
そう言ったんだと思うんです
Emu
……でも……
Emu
……あたし、いっつも夢ばっかり見ちゃうんです
Emu
おじいちゃんとお話した時のライリーさんは、
夢がいっぱいあるけど、でも現実のことも
ちゃんと考えてたんだと思います
夢がいっぱいあるけど、でも現実のことも
ちゃんと考えてたんだと思います
Emu
でも、あたしは——
こうしたいな、ああしたいなっていう夢はいっぱいあるけど、
ひとりじゃなんにも形にできなくて……
こうしたいな、ああしたいなっていう夢はいっぱいあるけど、
ひとりじゃなんにも形にできなくて……
Emu
だから——夢を見ることも大事だと思うけど、
あたしは現実を見なくちゃいけないって、そう思うんです!
あたしは現実を見なくちゃいけないって、そう思うんです!
Emu
あたしもみんなと一緒に『こうしたい』を
形にできるようにしたいから……!
形にできるようにしたいから……!
Tsukasa
えむ……
Riley
……なるほど。
夢ばかり見てしまう人物は、現実を見る必要がある、か
夢ばかり見てしまう人物は、現実を見る必要がある、か
Riley
——たしかにそうだね
Riley
夢を本当に形にしたいと願うのであれば、
現実もしっかりと見据えられるようになったほうがいい
現実もしっかりと見据えられるようになったほうがいい
Riley
見ているだけじゃあ、夢はただの夢のままだからね
Riley
まずは現実の自分ができることはなんなのかを知って、
夢を形にするために何が必要なのか、
どう働きかければそれが手に入るのか、考えていかなくてはね
夢を形にするために何が必要なのか、
どう働きかければそれが手に入るのか、考えていかなくてはね
Emu
やっぱり、そうですよね……
Riley
けれど——それは焦らなくていいんだよ、えむさん
Emu
え?
Riley
『夢を形にしたい』という気持ちがえむさんの中にあるなら
きっと、その力は少しずつ身についていく
きっと、その力は少しずつ身についていく
Riley
大人になるにつれて、自然とね
Riley
だから、まずは君達の目の前のこと——
君達のショーを作ることに、真剣に向きあっていけばいいんだ
君達のショーを作ることに、真剣に向きあっていけばいいんだ
Emu
目の前のこと、に……
Riley
ああ、そうだとも
Riley
……ただその中で、失敗することもある。
夢を見るのが苦しくなる時もやってくるかもしれない
夢を見るのが苦しくなる時もやってくるかもしれない
Riley
僕はね、そういった時に、今えむさんが持っている
“夢見る力”を手放さないようにしてほしいんだ
“夢見る力”を手放さないようにしてほしいんだ
Emu
“夢見る力”?
Riley
……大人になると、“夢見る力”は、どんどん衰えていく
Riley
経験を重ねれば重ねるほど、自分の限界が見えていくんだ。
そうやっていつの間にか、夢を見るよりも先に、
『できるかどうか』ということばかり考えてしまうようになる
そうやっていつの間にか、夢を見るよりも先に、
『できるかどうか』ということばかり考えてしまうようになる
Riley
かつての僕のように、ね
Riley
夢を見続けるということは——
えむさんが思う以上に、難しいことなんだよ
えむさんが思う以上に、難しいことなんだよ
Emu
……そうなんですか?
Riley
ああ。とてもね
Riley
それに——えむさんの“夢見る力”があったからこそ、
形になったものもあるんじゃないかな?
形になったものもあるんじゃないかな?
Emu
え? でも、あたしは何も——
Tsukasa
そんなことはないっ!!
Emu
ぴゃっ!?
Tsukasa
いいかえむ! よく聞け!
Tsukasa
えむが持っている“夢見る力”は、
オレ達ワンダーランズ×ショウタイムにとって
欠かせないものなんだぞ!
オレ達ワンダーランズ×ショウタイムにとって
欠かせないものなんだぞ!
Emu
ほぇ?
Nene
そ……そうだよ!
えむが夢を見てくれたからできたことが、いっぱいあるんだよ
えむが夢を見てくれたからできたことが、いっぱいあるんだよ
Rui
そもそも僕達は、えむくんの夢がなければ、
こうしてここにいないだろうからね
こうしてここにいないだろうからね
Rui
——えむくんは、誰も寄りつかないボロボロの
ワンダーステージを、再び笑顔でいっぱいにしたいという
夢を持っただろう?
ワンダーステージを、再び笑顔でいっぱいにしたいという
夢を持っただろう?
Rui
その夢があったから、僕達はあの場所に集ったんだ
Emu
……!!
Nene
ナイトショーだってそうだよ。
たしかにアイディアを形にしたのは類だけど——
たしかにアイディアを形にしたのは類だけど——
Nene
あれだって『フェニックスワンダーランドを、
みんなが笑顔になれる場所にしたい』って
えむが言ってくれたから実現したことでしょ?
みんなが笑顔になれる場所にしたい』って
えむが言ってくれたから実現したことでしょ?
Emu
寧々ちゃん……
Rui
例えるならえむくんは、僕達のエンジン——
現実を変えるための大きな原動力になってくれているんだよ
現実を変えるための大きな原動力になってくれているんだよ
Tsukasa
そうだ! だからまずは卑屈にならず、その力を誇るがいい!
そして少しずつ、夢を実現する力を身につけていくのだ!
そして少しずつ、夢を実現する力を身につけていくのだ!
Nene
うん! 一緒に頑張ろう、えむ!
Rui
そうだね。
僕達は幸い、それなりの実行力はあるからね
僕達は幸い、それなりの実行力はあるからね
Emu
みんな……
Tsukasa
しかし……えむにはどこから現実を学ばせるべきだ?
人は簡単に空を飛べないという話からか?
人は簡単に空を飛べないという話からか?
Nene
実際飛んでるヤツがいるから、あんまり説得力ないけどね
Rui
目標に対する物事の進めかたを
もう少し具体的に考えられるようにするのはどうだろう?
もう少し具体的に考えられるようにするのはどうだろう?
Nene
あー、それはいいかもね。
えむ、テスト勉強も前日の暗記で
全部なんとかしてるって言ってたし
えむ、テスト勉強も前日の暗記で
全部なんとかしてるって言ってたし
Rui
ふむ。
セリフを覚えるのは早いし、暗記力はかなりのもののようだから、
きっとやりかたさえ覚えてしまえばすぐ身につくんじゃないかな
セリフを覚えるのは早いし、暗記力はかなりのもののようだから、
きっとやりかたさえ覚えてしまえばすぐ身につくんじゃないかな
Emu
(……そっか)
Emu
(あたしの夢もちゃんと、
みんなの笑顔につながってたんだね……)
みんなの笑顔につながってたんだね……)
Emu
——みんな~っ!!
Emu
あたし、夢も現実も、どっちも
ちゃんと見ていこうって思う!
ちゃんと見ていこうって思う!
Emu
夢ばっかり見ちゃいそうになったら、
これってホントにできるのかな?ってちゃんと考えて……
これってホントにできるのかな?ってちゃんと考えて……
Emu
現実ばっかり見ちゃいそうになったら、えっと、
おふとんに入っていっぱいいっぱい夢を見るから……!
おふとんに入っていっぱいいっぱい夢を見るから……!
Nene
別にふとんに入らなくてもいいけど……
Emu
だからえっと……これからも、よろしくお願いしますっ!
Tsukasa
ああ! こちらこそよろしく頼むぞ、えむ!
Emu
うんっ!
Emu
う~! なんだかとってもやる気がわいてきたよ~!
パチパチメララ~っ!!
パチパチメララ~っ!!
Tsukasa
パチパチ……メラ?
Nene
あー、燃えてるってことね
Rui
フフ、いつもの調子が戻ってきたようだねえ
Riley
……ふふ
Riley
見てるかい? 楽之介
Riley
この子達はきっと——
これからとても大きな夢を叶えていくよ
これからとても大きな夢を叶えていくよ
Riley
——さて、そろそろ閉園時間が近づいているから、
今日宿泊するホテルへ向かうとしよう
今日宿泊するホテルへ向かうとしよう
Riley
慶介さんと晶介さんもそこに来てもらうからね。
みんなで、これからの夢の話をしようじゃないか!
みんなで、これからの夢の話をしようじゃないか!
Tsukasa
はい!
Rui
ところで……どうして遊園地の経営者だった楽之介氏が、
映画制作に携わっていたんですか?
映画制作に携わっていたんですか?
Nene
あ、そういえばたしかに……
Riley
それはね、彼が『世界中の人を笑顔にしたい』と
考えていたからだよ
考えていたからだよ
Emu
世界中の人を……?
Riley
ああ。だからエンターテインメントに関わることならば、
どんなことでもやるし、どんな場所にでも行っていたらしい
どんなことでもやるし、どんな場所にでも行っていたらしい
Riley
普通なら、どれかひとつの道を選んで進むものだが——。
本当に、楽之介らしいよ
本当に、楽之介らしいよ
Emu
世界中の人を笑顔に——
Emu
……そっか。おじいちゃんはいっつも、
『みんなが笑顔になってくれたら幸せだ』って言ってたけど——
『みんなが笑顔になってくれたら幸せだ』って言ってたけど——
Emu
『みんな』って、本当に、世界中のみんなのことなんだ……!
Emu
えへへっ!
やっぱりおじいちゃんは、おじいちゃんだなぁ!
やっぱりおじいちゃんは、おじいちゃんだなぁ!
Tsukasa
世界中の人を……か
Tsukasa
それなら、オレと同じだな!
Emu
う?
Tsukasa
オレの夢は未来のスターとして、
世界中の人を笑顔にすることだからな!
世界中の人を笑顔にすることだからな!
Emu
あ……!
Emu
そっかー!!
だからおじいちゃんと司くんは、とっても似てるんだね!!
だからおじいちゃんと司くんは、とっても似てるんだね!!
Tsukasa
何? 似ている?
Nene
え、何。司とえむのおじいちゃんって似てるの?
Emu
うん! なんだか似てるなーって思ってたんだけど……。
きっと同じ夢があるからなんだね!
きっと同じ夢があるからなんだね!
Rui
なるほど……同じ志の者同士、
まとう雰囲気が似通っているのかもしれないね
まとう雰囲気が似通っているのかもしれないね
Tsukasa
そうか……ならばやはり!
オレも末は大人物ということだな!
オレも末は大人物ということだな!
Nene
夢が同じなだけでそうなるわけないでしょ
Tsukasa
なんだとー!?
Riley
ああ、みんな。迎えの車が来たようだよ。
一緒にホテルへ向かおう
一緒にホテルへ向かおう
Emu
はーい!
Emu
(世界中の人を笑顔に——)
Emu
(そんな風にできたら、きっと、すてきだろうなぁ……)
Emu
えへへっ♪
あたしも、がんばるぞーっ!
あたしも、がんばるぞーっ!
KAITO
『ずっと悩んでいるように見えたから心配だったけど……。
どうやら、胸のつかえが取れたようだね』
どうやら、胸のつかえが取れたようだね』
Len
『うん! えむちゃんが笑顔になって本当によかった~!』
MEIKO
『夢を見る力……ね。
えむちゃんにぴったりの、とってもいい言葉だわ!』
えむちゃんにぴったりの、とってもいい言葉だわ!』
Miku
『えむちゃん達の夢があるから、
みーんな笑顔になれちゃうんだもんねっ☆』
みーんな笑顔になれちゃうんだもんねっ☆』
Miku
『——がんばれ! えむちゃんっ!』